SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成17年 理論 問15(b) キルヒホッフの法則の計算)

理論のテキストの中でキルヒホッフの法則の例題で3式を連立させて解くところがわかりません。答えまでの流れを教えてください。

キルヒホッフの問題といいますと、11ページの問題(平成17年 理論 問15(b)の改題)ですね。以下に詳細を解説いたします。

キルヒホッフの電圧則は、電源や抵抗などの回路素子が複数組み合わされている回路において、ぐるっと一周ループになっている部分に注目したとき、その一周を構成する回路素子の両端に発生している電圧を足し合わせると必ずゼロになる、というものです。また、電流則は、複数の素子が接続されている接続点において、その点に流れ込む電流と、その点から流れ出す電流は同じであるというものです。

さて、例題において、a→b→c→aの一周のループを流れる電流を仮にi1、d→c→b→dの一周のループを流れる電流をi2、電池の+端子→a→c→d→電池の-端子と流れる電流をi3とします。すると、左上の16Ωに流れる電流はi1のみ、右上の4Ωに流れる電流はi2のみ、左下の4Ωに流れる電流はi1-i3、右下の16Ωに流れる電流はi2-i3、真ん中の80Ωに流れる電流はi1-i2となります。したがって、a→b→c→aの一周のループについては

  • 16i1+80(i1-i2)+4(i1-i3)=0→展開してまとめると、25i1-20i2-i3=0…①

d→c→b→dの一周のループについては、

  • 4i2+16(I2-i3)+80(i2-i1)=0→展開してまとめると、-20i1+25i2-4i3=0…②

電池の+端子→a→c→d→電池の-端子のループについては、

  • 4(i3-i1)+16(I3-i2)=40→展開してまとめると、-i1-4i2+5i3=10…③

となり、3つの連立方程式が求められます。

  • ここで、①+②+③より、4i1+i2=10ですから、i2=10-4i1…④
  • ④を①に代入して展開しまとめると、105i1-i3=200…⑤
  • ④を②に代入して展開しまとめると、30i1+i3=62.5…⑥

⑤+⑥を計算すると、i1=1.94444…が求められるので、これを⑤に代入してi3は約4.17Aと求められます。

「SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成17年 理論 問15(b) キルヒホッフの法則の計算)」への2件のフィードバック

  1. 上記の展開途中式が何回やってもわかりません。

    ①から③の展開がどうにも合いません。

    DVDの中でも勿論途中式などは省略してあります。
    宜しくお願いします。

    1. ミスター電験 様
      コメント有り難うございます。
      ①から③の展開という事ですが、具体的にはどの点でしょうか?

      25i1-20i2-i3=0…①
      -20i1+25i2-4i3=0…②
      -i1-4i2+5i3=10…③

      この①~③の式を同時にすべて満たすi1、i2、i3を求めるというのが、問題を解くための方向性です。上記ではこの後、①+②+③を求めて4i1+i2=10としていますが、①~③の連立方程式を解く方法は何もこれに限らず、どう解いてもかまいません。
      たとえば、①よりi3を移行し、i3=25i1-20i2とします。
      これを②に代入すると、
      -20i1+25i2-4(25i1-20i2)=0
      となります。また、③に代入すると、
      -i1-4i2+5(25i1-20i2)=10
      となります。これよりi1やi3を求めてi3に至っても構いません。

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