【解答】(3)(4)
(a)
ブリッジ回路の平衡条件ですから、対角同士の積が等しくなることより、次の式が成立します。この式において、
と展開できるので、答えは(3)と求まります。
(b)
という式が成立する条件を求めれば良いわけです。
この式の分母は必ず正の実数ですから、
- (RR1+ωC1R1X)が正の実数
- (X-ωC1RR12)がゼロ
を満たすためには、R>0、X>0となります。
【解答】(1)
コイルの基本的な性質を知っていれば即座に解ける問題です。
コイルは、電流が流れていない状態から直流電圧を掛けられた瞬間、内部に電流が流れ込むのを阻止する働きをします。しかし段々と電流が流れるようになっていき、ついには単なる導線と同じになってしまいます。
したがって、スイッチSを閉じた瞬間、コイルに電流は流れませんからコイルは切り離されたのと同じ状態となり、R1に流れる電流は、電源電圧Eに対して抵抗R1とR2が直列に接続されただけの回路となるので、(ア)はE/(R1+R2)です。
十分時間が経って定常状態となったとき、直流に対してコイルは単なる電線となるため、R2は短絡したものと見なせます。したがって(イ)はE/R1です。
【解答】(5)
第二種電気工事士レベルで解けるサービス問題です。
まず、R1とR2の並列抵抗を1つの抵抗とみなすと、単純なRL直列回路となります。100Vの電源から20Aの電流が流れだしていますから、RL直列部分のインピーダンスは5Ωです。
RL直列回路のインピーダンスは、コイルのリアクタンスと抵抗値の二乗平均ですから、
となります。これより、R1とR2の並列抵抗Rは3Ωと求まります。
出題文よりR1とR2の電流比は1:3なので、抵抗値は3:1であることから、
(R1×R2)÷(R1+R2)=(3R2×R2)÷(3R2+R2)=(3/4)R2=3
以上より、R2は4Ωと求まりますから、R1はその3倍の12Ωと求まります。
【解答】(1)
このような抵抗の組み合わせ回路は、単純化できる部分から順に単純化していきます。
まず、一番右の1Ωと右から2番目の1Ωは直列接続されているので2Ωの抵抗ひとつに置き換えることができます。すると、右から3番目の2Ωとこの2Ωは並列接続されていることになるので、この合成抵抗は1Ωです。右から4番目の1Ωとこの1Ωは直列接続なので、これらの合成抵抗は2Ωとなり、右から5番目の2Ωと並列であることから、これとの合成抵抗は1Ωです。したがって、この回路は、
と接続されているだけの回路に単純化されてしまいます。したがって回路に流れる電流は6Aとなり、(ア)の選択肢は「大きい」です。
電流の正体は電子(自由電子)の流れですが、歴史的な経緯より、電流が流れる向きと電子の流れる向きは逆と定義されています。したがって、(イ)の選択肢は「上から下」です。
この回路は、12Vの電源に、2本の1Ωの抵抗が直列に入っている回路と等価です。したがって、個別の抵抗で消費される電力は、電源が供給する電力に対して半分ずつです。これより(ウ)の選択肢は「0.5」です。なお、問題中に「0.25sの間に」とありますが、この値を計算に使う必要はありません。
抵抗で消費された電力は熱エネルギとなります。これは空気中などに放散されていきますが、移動する熱量は、発熱体とその周囲との温度差にほぼ比例します。たとえば、暖かい時期は熱い飲み物が冷めにくく、真冬では熱い飲み物もすぐに冷めていくことからも理解できると思います。したがって、(エ)の選択肢は「ほぼ比例」です。
【解答】(5)
この回路が定常状態ということは、
とみなせることになります。したがって、C1とC2を取り去り、L1とL2を短絡した回路に置き換えると、これは100Vの電池に20Ωと30Ωの抵抗が直列に接続された回路とみなすことができ、回路に流れる電流は2Aと求まります。
さて、コンデンサに蓄えられる静電エネルギとコイルに蓄えられる磁気エネルギは、
で求められます。ここで、C1にかかる電圧はR1にかかる電圧と同じで、2A×20Ω=40V、L1に流れる電流は2A、C2にかかる電圧は2A×30Ω=60V、L2に流れる電流は2Aであることから、
で求まり、これを全部足すと1.52Jとなります。