【解答】(2)(2)
(a)
この回路に流れる磁束Φを磁路の断面積で割ったものが磁束密度Bで、磁束密度と磁界の強さHの間には、透磁率をμとして
- B=μH
の関係があります。
題意より、鉄心と空隙の断面積はどれも一定なので、H=B/μより、ある部分での磁界の強さは透磁率μに反比例することが求まります。ここで、空隙における磁界の強さをH0とすると、
- 比透磁率2000の鉄心1では、磁界の強さはH0の1/2000
- 比透磁率1000の鉄心2では、磁界の強さはH0の1/1000
ですから、正解のグラフは(2)と分かります。
(b)
磁気回路において、透磁率μは電気回路における導電率と対応します。ここでは真空中(≒空気中)の透磁率μ0に対する比透磁率で定義されているので、この磁気回路は、磁気回路の断面積をSとして
- 鉄心1…抵抗率1/2000μ0Sで長さ200mm
- δ…抵抗率1/μ0Sで長さ1mm
- 鉄心2…抵抗率1/1000μ0Sで長さ98mm
- δ…抵抗率1/μ0Sで長さ1mm
の周回回路と見なすことができます。これらの合成磁気抵抗を求めると、
- (0.2/2000μ0S)+ (0.001/μ0S)+ (0.098/1000μ0S)+ (0.001/μ0S)= 0.002198/μ0S
となります。
電気回路の電源電圧Vに対応する起磁力Fは、コイルの巻数をN、電流をIとして
- F=NI
で表されます。また、磁気回路に流れる磁束Φと磁気抵抗Rを用いると、
- F=NI=ΦR
ですから、題意よりNI=ΦRを用いて
- Φ=NI/R=N×1/(0.002198/μ0S)= μ0SN/0.002198
と書き表せます。磁束密度は、磁束Φを断面積Sで割ったものですから、
- B=Φ/S=μ0N/0.002198
と求まります。ここでH=B/μの関係から、
- H=(μ0N/0.002198)/ μ0= N/0.002198
であり、題意よりH=2×104を代入して、
- 2×104= N/0.002198
から、N=43.96が求まります。