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SAT電験3種講座 猫電 質問回答(オームの法則のイメージ)

  V        水を押し流す勢いの多きさ
I=― 水が流れる量=―――――――――――
R        ホースの水の流れにくさ
はイメージできますが

V             水を押し流す勢いの大きさ
R=― ホースの水の流れにくさ=――――――――――――
I             水が流れる量

をイメージできないのですがどのように考えたらよいですか。

水道の口に細いホースを取り付けた場合と、太いホースを取り付けた場合を考えます。そして、水道の栓を開けて、ホースの先端から出てくる水の量を観察することにします。このとき、ホースが太ければ大量の水が出てきますし、ホースが細ければ水はちょっとずつしか出てきません。

ここで、観察者が、ホースの太さを知らず、どちらも水道の栓をひねった量は一定であることと、出てくる水の量だけしか分からないとすれば、当然ながら大量に水が出てくる方はホースが太くあるいは短く、水が少しずつしか出てこない方はホースが細くあるいは非常に長いことが想定できると思います。

これを数式で表すと、水が流れてくる量とホースの抵抗は反比例することが分かりますから、R=V/I、つまりRはIに反比例することが想定できるかと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成25年 理論 問15b 過去問解説 力率改善コンデンサのΔ-Y変換)

P81の解説を詳しく教えてください。まず、コンデンサの場合デルタからスターにした場合に3倍になるのか後RL直列+コンデンサ並列の場合の展開をわかりやすく教えてください。急に解説なしにアドミアタンスやサセプタンスが出てきて意味がわかりませんまずアドミタンス、サセプタンスとは何ですか。またどのような時に使うのですか

まず、コンデンサをデルタからスターにした場合に3倍になる理由ですが、これは、35ページの例題と全く同じですので、35ページも併せてご覧ください。抵抗のΔ-Y変換では、Δ型をY型にする場合、抵抗値は例えば

  • Ra=RabRca/(Rab+Rbc+Rca)

で求められました。これは抵抗値(=電圧÷電流)に注目しており、コンデンサでも同様にリアクタンス(=1/jωC)を用いて変換できます。しかし、コンデンサのリアクタンスは、1/jωCの式から分かるように静電容量の逆数に比例します。

したがって、Δ-Y変換で抵抗値が1/3になるところであれば、コンデンサは逆数なので3倍の値になるわけです。

http://wp.khz-net.co.jp/?p=712

も併せて参照頂ければと思います。

RL直列+コンデンサ並列の場合の展開をわかりやすく教えてください。

この問題の回路において、Y型の1素子のインピーダンスは、7.96mHと6Ωですから、6+j2.5Ωです。これをY→Δに変換すると、インピーダンス値は3倍になりますから18+j7.5ΩのΔ型回路となります。

ここでΔ型の一素子について考えると、18+j7.5Ωと並列に(1/jωC)を入れた合成インピーダンスの虚数分がゼロとなればいいことになります。しかし、並列回路なのでインピーダンスでは考えにくいため、逆数を取ってアドミタンスで計算します。

急に解説なしにアドミアタンスやサセプタンスが出てきて意味がわかりません
まずアドミタンス、サセプタンスとは何ですか。またどのような時に使うのですか

アドミタンスはインピーダンスの逆数サセプタンスは、リアクタンスの逆数です。電気の世界では「~タンス」が色々と出てきて最初は訳が分からなくなるのですが、以下にそれらをまとめます。

  • 抵抗…電圧÷電流がレジスタンス、レジスタンスの逆数がコンダクタンス
  • コイル・コンデンサ…電圧÷電流がリアクタンスその逆数がサセプタンス
  • 抵抗とコイル・コンデンサの直列・並列回路…電圧÷電流がインピーダンス、その逆数がアドミタンス

なお、レジスタンス=抵抗値、コンダクタンス=導電率です。単位は、

  • レジスタンス・リアクタンス・インピータンスが[Ω](オーム)
  • コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスが[S](ジーメンス)

となります。

これらの使い分けですが、レジスタンス・リアクタンス・インピータンスは「電圧÷電流」で定義されていますから、抵抗やコイル、コンデンサなどの直列回路の場合に使いやすい値です。なぜかと言えば、直列回路では各素子に流れる電流が同一ですから、値を求める計算で割り算の分母が共通になるからです。もし分母が共通にならないと、通分する必要が出てきて、できない訳ではないですが計算が面倒になります。

コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスは、回路が並列になっている場合に使いやすい値です。理由は同じで、並列回路では各素子に掛かる電圧が同じですから、「電流÷電圧」を計算する場合、割り算の分母となる電圧が共通だと計算しやすいからです。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成27年 理論 問17b 過去問解説 アドミタンス計算)

平成27年の問17のbですが、アドミタンスを計算すると1/30-j1/30になり、答えは1.06×10^-4になってしまいよくわかりません。

この問題は、電源側がV結線になっているものの、実質的に電源側が三相Δ結線、負荷側が三相Y結線負荷という事になります。

コンデンサを接続したときiaの波形はeaに対して30度位相が遅れているということは、三相ΔーY結線の性質から、負荷の力率が1であることを意味します。したがって、Δ結線のCをY結線に変換して1相分のR-Lと並列に接続したとき、リアクタンス分が0になればいいわけです。

ここで1相分のインピーダンスを考えると、Rが5Ω、Lが2πfL=約+j5Ωより(5+j5)Ωですから、このRL直列部分のアドミタンスを計算すると、

  • 1/(5+j5)=(5-j5)/(5+j5)(5-j5)=(1/10)-j(1/10)

となります。これが1相分のリアクタンスですから、コンデンサはこの虚数分を打ち消せばよいので、並列コンデンサのサセプタンスは+j(1/10)となり、

  • 2πfC=(1/10)

を解くと、C=3.18×10^-4が求まります。このCは、Δ結線をY結線に変換した際の静電容量ですから、YからΔに戻すと静電容量は1/3となり、約1.06×10^-4≒1.1×10^-4が答えとなります。

SAT電験3種講座 機械 質問回答(電験3種 平成27年 機械 問4 過去問解説 同期発電機の同期インピーダンスによる電圧降下)

機械 H27問4発電機の端子電圧を求める問題

詳しい解説をおねがいします。解説では√1^2+0.85^2=1.3と説明されています。問題文に、定格電圧に対して、端子電圧は何倍か?とあります。イメージとして、定格電圧・端子電圧を求めて、端子電圧/定格電圧 を計算するといった ような手順でとくように感じますが、先生の解説だと、とくに定格電圧を求めていないような気がします。

この問題ですが、具体的な定格電圧(=定格運転時の端子電圧)を求める必要はありません。適当にVと置くなり、あるいは勝手に100V、定格電流10Aなどと決めてしまっても構いません。

同期発電機は、純粋な交流電圧源に、直列インピーダンス(=同期インピーダンス)として巻線の抵抗・リアクタンスが直列に入り、出力端子に導き出されているものと考えられます。このとき、出力端子の時点で定格電圧・定格電流が供給できるのであれば、極端な話、電圧源が何ボルトであっても、同期インピーダンスでの電圧降下と出力端子の電圧の辻褄が合っていれば構わないことになります。例えば、ベクトルを考えない単純計算でのイメージですが、出力の定格電圧が100Vだったとして、

  • 電圧源が110Vで同期インピーダンスでの電圧降下が10Vの発電機や、
  • 電圧源が300Vで同期インピーダンスでの電圧降下が200Vの発電機

などがあっても構わないということです。但し、これらを無負荷状態にすると、出力端子の電圧は、前者は110V、後者は300Vとなってしまうわけです。

さて、出題より、同期インピーダンスが85%であり、巻線抵抗が無視できるということは、定格出力電圧・出力電流時に、同期インピーダンス=同期リアクタンスでの電圧降下が、定格出力電圧の85%であることを意味します。したがって、添付のベクトル図の通り、1(これは定格出力電圧を1と置いているわけです)の2乗と0.85の2乗の√を取れば発電機が発生している電圧が求まることになります。

下の図は、具体的に定格電圧が100V、定格電流が10Aと置いてしまった例です。同期インピーダンスが85%ということは、100V÷10A=10Ωに対して85%の8.5Ωが同期インピーダンスですから、定格出力100V・10A時に、コイルでの電圧降下が85Vであり、したがってこれらを合成した131.2Vが電圧源の電圧と求まります。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成17年 理論 問7 負荷インピーダンスの計算)

P.75一番下の計算の展開がわかりません。詳しい解説をお願いします。

この計算の展開と結果の導出ですが、下図のようになります。

計算のコツとして、500の2乗などは展開して250000などと置きたくなってしまうのですが、そうするとかえって面倒になってしまうため、そのままで計算していく方が見通しが立ちやすくなります。また、分母・分子に同じ数を掛けて約分したり、両辺から同じ数を引いて移項したりするほか、両辺を2乗したり、両辺の√を取っても基本的にはイコールが成り立つ、ということを使っていけば解答を求めることができます。

SAT4類消防設備士講座 質問回答(製図問題、警戒区域数と共通線の本数)

ベルの配線ですが、一斉鳴動ですと2本になりますが、区分鳴動の場合は、何本ですか?

区分鳴動にする場合、ベルの配線は、片方が共通線となります。

例えば8階建てだとすると、7階から8階に上がる部分は2本、6階から7階に上がる部分は共通線1本+8階の線+7階の線の合計3本、5階から6階に上がる部分は共通線1+6階+7階+8階の4本…といった具合です。但し、地下階がある場合、地下は区分鳴動にしないのでベル線+ベル共通線の2本です。

P269の問題30
4階の末端に終端抵抗設置とありますが、3階設置はだめですか?IV線4本と記載がありますが、3階からの戻り配線は含まないのですか?

問題26~29については、階ごとに警戒区域を設けた場合という前提条件ですから、戻り配線は含まれないことになります。

問題31

1階からの送り配線2本は、Cに終端抵抗が設置されると考えるのですか?以上よろしくお願いします

C、つまり2階部分に終端抵抗が設置されると考えて頂いて結構です。

特段の事情がない限り、基本的に配線は最も効率よく引き回します。例えば、1階と2階を同一警戒区域として1階に終端抵抗を置く場合、2階から1階へと送り配線を戻さなければいけないので配線数が増えてしまいますから、2階に終端抵抗を置くことになります。

これに関しても上の問題と同様でして、〇×のテキストに落とし込むために条件を適宜省略した結果こうなっているだけですので、基本的な考え方を掴んでいただき、あとは実際の出題に示される条件通りに対応していただければ宜しいかと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(計算式の展開)

理論58ページの上から5行目の 先頭に点が3個付く意味と、22R+121=300の22Rがどこから、導き出されたのか理解できません。教えて下さい。

まず、「∴」の意味ですが、これは数学の記号で一行上の計算式を受けて「ゆえに」とか「したがって」ということを意味しています。つまり、一行上から導かれる式を表すときに使う記号です。

22Rについては、計算式を添付しますのでご確認いただければと思います。

 

SAT電験3種講座 理論 質問回答(トランジスタ増幅回路の接地方式)

電験3種理論のトランジスタ増幅回路に関しての質問です。コレクタ接地回路の図がでてくるのですがコレクタ接地回路の場合、コレクタが共同接地になるものだと思うのですがなぜエミッタから抵抗を挟んだものを接地してるのですか?これだとエミッタ接地回路と出力を取り出す場所が違うだけな気がするのですが。

トランジスタの動作についておさらいしますと、NPNトランジスタの場合、

  • B→Eに流した電流に比例して数百倍の電流がC→Eに流れる

という動作をします。(PNPでは電流の向きが逆になります)

ここで重要なのは、入力が電流で出力も電流であるという点です。

暗黙の了解として、通常、電流ではなく電圧で出力を取り出します。しかし、トランジスタはあくまでも電流を増幅しますから、電流の変化を電圧の変化に直すため、抵抗を挿入して電流の変化を電圧の変化に変換して取り出しているわけです。

したがって、「エミッタから抵抗を挟んだものを接地」しているのは、エミッタから流れ出す電流を電圧に変換して取り出すための負荷抵抗であり、このように負荷抵抗が間に入っているという場合、エミッタが接地されているとは言いません。

トランジスタの増幅回路の種類は、「エミッタ接地」「コレクタ接地」「ベース接地」がありますが、これらは全て、それらの端子が直に接地されているか、あるいはコンデンサを挟んで交流的に接地されていること回路である指します。電験3種の試験では、弱電分野であるトランジスタ増幅回路の詳細を突っ込むような問題は余り出題されないとは思いますが、上記のように「~接地」は、その端子が直接あるいはコンデンサを挟んで接地されているということ、そしてコレクタあるいはエミッタに接続されている抵抗は、電流の変化を電圧の変化に変換するための負荷抵抗であり、この端子は接地されているとは言わない、という点を押さえていただければ宜しいかと思います。

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(真空中の誘電率の値)

猫でもわかる電気数学のp18のクーロンの法則ですが
1/4πε0=9×10の9乗とあるのですがこの値は常に同じなのでしょうか?
そしてこの値は覚えたほうがいいのでしょうか?
アドバイスお願いします。

この値は誘電率といい、その場所(真空中か、空気中か、あるいは水の中など)によって変わる値です。

9×10^9というのは真空中の値で、空気中の値は厳密には少し異なるのですが、ほとんど無視できるほどの差異なので、空気中でも真空中でも一般的にこの値を用います。

出題によっては別の値を用いる可能性がないとは言えませんが、事実上この値だけ覚えておけば良いでしょう。