電験3種機械テキストP18について
単相誘導機では位相をずらして始動するという風に講義の中で紹介がありましたが具体的にどのように位相をずらし、回転させるのでしょうか。
誘導電動機は、回転磁界の中にコイルを置いて回転させますので、単相(180°の交番磁界)では、コイルを真横から押す力しか働かず、そのままでは回転することができません。
そこで、そのような180°の交番磁界を発生する極の近傍に、わざと短絡した巻線を施した小さな磁極を設けます。すると、交番磁界の一部がこの磁極を流れようとするとき、短絡コイル(隈取りコイルと呼びます)の影響で磁界に時間的な遅れが生じるため、交番磁界から隈取りコイルのある極方向に若干の回転磁界が発生することになります。これがスタートとなり、回転を続けることができる仕組みです。
この構造の電動機は「隈取りモーター」
と呼ばれて、実は我々の身近で良く利用されています。