ダイオードクリッパ回路やスライサ回路は、必勝法があります。それは、ダイオードが順方向になる条件と逆方向になる条件に分け、順方向の場合はダイオードを単なる導線として短絡した回路に置き換え、逆方向の場合はダイオードを完全に切り離した回路に置き換えることで回路全体の挙動を求めることができます。
- ダイオードが順方向となる場合
図に描きました。
例えば回路(a)で考えると、
viのマイナス端子を0[V]とする→電池の+端子をE[V]とする→抵抗Rの上側をE[V]とする→ダイオードの左側を「E[V]より大」とする
ことにより、「入力電圧viがE[V]より大のときダイオードが導通する」ことが求まります。
同じ手法で、
- (b)は入力電圧viが-Eより小でダイオードが導通
- (c)は入力電圧viがEより小でダイオードが導通
- (d)は入力電圧viがEより小でダイオードが導通
- (e)は入力電圧viがEより大でダイオードが導通
することになります。
次に、ダイオードが導通(=導線と同じ)したときと非導通(=ダイオードを回路から切り離し)の時の回路を描くと、
- (a)はダイオードが導通で入力電圧がそのまま出力
- (b)はダイオードが導通で入力電圧がそのまま出力
- (c)はダイオードが導通で入力電圧がそのまま出力
- (d)はダイオードが導通で出力はEに固定
- (e)はダイオードが導通で出力はEに固定
となります。これらを組み合わせると、
- (a)は入力電圧viがEより大で入力電圧がそのまま出力
- (b)は入力電圧viが-Eより小で入力電圧がそのまま出力
- (c)は入力電圧viがEより小で入力電圧がそのまま出力
- (d)は入力電圧viがEより大で入力電圧がそのまま出力
- (e)は入力電圧viがEより小で入力電圧がそのまま出力
となり、出題の図より回路全体の挙動として「入力電圧viがE[V]より大で入力電圧がそのまま出力」されれば良いので、これに当てはまる回路は(a)と(d)になります。答えは(3)です。
お世話になってます。
ダイオードがあると電源が2つある回路とは違うのですか。
回路(a)の場合、出力に電圧Eは影響しないのですか。
電圧viに対して電流が流れるのですか。
お時間できましたら、よろしくお願いいたします。