平成29年度電験3種問題解説・理論問4

【解答】(5)

知識問題です。BH曲線とは、磁性体にHの磁場(横軸)を与えたとき、内部に発生する磁束密度B(縦軸)との関係を描いたグラフです。

まず原点から飽和磁束密度まで磁界の強さを大きくした後、外部磁界を取り去ると磁性体内部にはaの磁束密度が残ることになります。これを残留磁気といい、磁性体内部の微小磁石が外部からの磁場によって向きを変えられた後、元に戻らない微小磁石が多ければ多いほどaの値は大きくなります。この状態から逆方向に外部磁場を与えていくと、磁性体内部の微小磁石の合成磁束がゼロになる点があり、これがグラフ中のbとなります。

このヒステリシス曲線が囲む面積が大きければ大きいほど、外部から与えた磁場に対して磁性体内部の微小磁石の向きが変わりにくいことを表し、変圧器などにはヒステリシス曲線に囲まれる面積が小さいものが、永久磁石にするためには面積が大きいものが適していることになります。

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