電験3種理論のトランジスタ増幅回路に関しての質問です。コレクタ接地回路の図がでてくるのですがコレクタ接地回路の場合、コレクタが共同接地になるものだと思うのですがなぜエミッタから抵抗を挟んだものを接地してるのですか?これだとエミッタ接地回路と出力を取り出す場所が違うだけな気がするのですが。
トランジスタの動作についておさらいしますと、NPNトランジスタの場合、
- B→Eに流した電流に比例して数百倍の電流がC→Eに流れる
という動作をします。(PNPでは電流の向きが逆になります)
ここで重要なのは、入力が電流で出力も電流であるという点です。
暗黙の了解として、通常、電流ではなく電圧で出力を取り出します。しかし、トランジスタはあくまでも電流を増幅しますから、電流の変化を電圧の変化に直すため、抵抗を挿入して電流の変化を電圧の変化に変換して取り出しているわけです。
したがって、「エミッタから抵抗を挟んだものを接地」しているのは、エミッタから流れ出す電流を電圧に変換して取り出すための負荷抵抗であり、このように負荷抵抗が間に入っているという場合、エミッタが接地されているとは言いません。
トランジスタの増幅回路の種類は、「エミッタ接地」「コレクタ接地」「ベース接地」がありますが、これらは全て、それらの端子が直に接地されているか、あるいはコンデンサを挟んで交流的に接地されていること回路であるを指します。電験3種の試験では、弱電分野であるトランジスタ増幅回路の詳細を突っ込むような問題は余り出題されないとは思いますが、上記のように「~接地」は、その端子が直接あるいはコンデンサを挟んで接地されているということ、そしてコレクタあるいはエミッタに接続されている抵抗は、電流の変化を電圧の変化に変換するための負荷抵抗であり、この端子は接地されているとは言わない、という点を押さえていただければ宜しいかと思います。