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SAT一陸特講座 質問回答(電子回路における負荷抵抗と信号の受け渡し方法)

トランジスタとFETの説明で、出力の電流の変化を、電圧に変化させるために負荷抵抗をいれるとの説明がありました。通常、高周波信号は、電流変化と電圧変化のどちらで取り扱うべきものなのでしょうか。

信号の変化といえば、電圧の変化のことを言っていることが多いと感じます。また、信号を電流変化で取り出すことがダメな点があればお教えください。

おっしゃる通り、通常、信号の受け渡しと言えば電圧の変化で定義します。

何故かと言えば、電圧の出力は放っておいても(端子を開放した状態にしていても)何も起きませんが、電流出力にすると、端子を開放すれば端子間抵抗が非常に大きな値となり、そこに無理やり電流出力を流そうとするとV=RIより極めて高電圧が発生してしまい、取り扱いづらいからです。

大電流を測定するために用いる変流器は、原理上電流出力にせざるを得ないため端子開放は厳禁であり、このことは強電関係の資格試験でも良く出ています。

高周波信号は、普通は電圧出力でも電流出力でもなく、電力で取り扱います。これは、極めて高い周波数の交流信号に対して電圧や電流を測定することが難しいということと、信号の受け渡しにおいて必要なのはエネルギー(=電力)であり、線路インピーダンスが変わっても不変である電力を基準にして考えるのが合理的という事情があります。

SAT一陸特講座 質問回答(デジタル変調のシンボルレートと周波数成分)

シンボルの意味、つまり「1回のデジタル変調」の意味(1回とは、BPSKは1ビット;2値、QPSKは2ビット;4値のことでしょうか?)と、「シンボルレートが大きいほど、高い周波数成分をもち、帯域幅が広くなる」という解説が、今ひとつ理解できませんでした。

1回とは、BPSKは1ビット;2値、QPSKは2ビット;4値のことでしょうか?

はい、その通りです。BPSKは、位相のずれが0度か180度かの2値で、それぞれを2進数の1か0かに対応させます。

QPSKは、位相のずれが0・90・180・270度の4値で、それぞれを2進数の00、01、10、11に対応させるわけです。

「シンボルレートが大きいほど、高い周波数成分をもち、帯域幅が広くなる」

周波数は、周期の逆数の値です。これは理解いただいているかと思います。例えば1秒間に1回波形が変化すれば1Hz、1秒間に4回変化すれば4Hzということになります。

シンボルレートが大きいということは、1秒間あたりに送れるデータ量が多いことを意味しますので、それだけ波形の変化の頻度も多くなります。したがって、シンボルレートが大きいほど高い周波数成分を持つ、ということになります。

平成29年度電験3種問題解説・理論問2

【解答】(2)

コンデンサの静電容量Cは、極板間距離をd、極板面積をS、極板間の誘電率をεとして、

  • C=ε・S/d

で求められます。

静電容量CのコンデンサにVの電圧を掛けたとき、蓄えられる電荷量Qは

  • Q=CV

で与えられ、この時に蓄えられる静電エネルギWは

  • W=(1/2)QV=(1/2)CV^2=(1/2)(V^2/C)

で求められます。また、距離dの間に電位差Vがある場合、この間の電界の大きさEは、

  • E=V/d

となります。以上の関係式を用いれば答えを導くことができます。

まず、最初の状態でコンデンサに蓄えられた電荷量を求めます。なお、具体的な電源電圧は与えられていないので、コンデンサAの電圧を基準に考えます。

  • コンデンサA…電源電圧V、静電容量εS/d 、蓄えられた電荷量εSV/d
  • コンデンサB…電源電圧V、静電容量2εS/d 、蓄えられた電荷量2εSV/d
  • コンデンサC…電源電圧2V、静電容量εS/2d 、蓄えられた電荷量εSV/d

次いで、これを用いて各コンデンサの静電エネルギを求めれば良いのですが、文字式を用いて計算すると式展開が大変になるので、分かりやすくするためにコンデンサAの静電容量を1F、コンデンサAの電源電圧を1Vと決めてしまいます。すると、

  • コンデンサA…電源電圧1V、静電容量1F、蓄えられた電荷量1C
  • コンデンサB…電源電圧1V、静電容量2F、蓄えられた電荷量2C
  • コンデンサC…電源電圧2V、静電容量0.5F、蓄えられた電荷量1C

と簡単化することができます。これより、各コンデンサの静電エネルギは、

  • コンデンサA…0.5J
  • コンデンサB…1J
  • コンデンサC…1J

となり、合計2.5Jです。これらを並列にした場合、合成静電容量は和になりますから、

  • 1+2+0.5=3.5F

です。また、蓄えられた合計の電荷量は4Cであることから、静電エネルギは

  • Q^2/2C=16/7=2.29J

となります。したがって、

  • 2.29/2.5=0.92

が求まります。

なお電源から切り離されている以上蓄えられた電荷量は変化しませんが、静電エネルギは変化します。これは並列接続されたコンデンサの間で電荷を移動させるエネルギとして消費されます。