「412 一陸特模試テスト」のP106の問題9と「よくわかる 第一級陸上特殊無線技士 合格テキスト」のP31の問題1が選択肢の順番は違いますが同じ問題で、解答の選択肢が異なっておりました。どちらが正しい解答になりますでしょうか?
どちらの問題も「キャリア1本あたりのシンボルレートを高くできる」が誤りですので、問題1の方が正しく、106ページ問題9は正解は「5」となります。御迷惑をお掛けして申し訳ありません、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
「412 一陸特模試テスト」のP106の問題9と「よくわかる 第一級陸上特殊無線技士 合格テキスト」のP31の問題1が選択肢の順番は違いますが同じ問題で、解答の選択肢が異なっておりました。どちらが正しい解答になりますでしょうか?
どちらの問題も「キャリア1本あたりのシンボルレートを高くできる」が誤りですので、問題1の方が正しく、106ページ問題9は正解は「5」となります。御迷惑をお掛けして申し訳ありません、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
概観的な質問です。
多重通信の流れが分かりません(各セッションの繋がりが掴めません)
アナログ通信(アマチュア無線国家試験で出てくる送受信機のブロック構成図など)との比較で、デジタル変調や多重接続がどの部分にあてはまるのでしょうか。符号化することが、デジタル変調でしょうか?
まず、アナログ情報をデジタル情報に;ここが符号化?ここで符号化したデジタルデータをQAMなどでデジタル変調?デジタル変調した信号を、電波に乗るようにさらに変調(BPSKとかQPSKとか)それを、多重接続方式(TCMAやCDMA、OFDM方式)で電波に乗せて、その信号を復調して、符号化されたデジタル信号へ、これを、さらに、復調(デジタル-アナログ変換;ここの方式名は?)して、アナログ信号???といった順序でしょうか?
できれば、代表的な多重通信で、入力信号が、相手側に出力されるまでのブロック構成図を描いていただけますでしょうか。また、その時の処理している信号がアナログなのかデジタルなのかの区別もお教えください。また、空間を伝送中の搬送波はAM、FM、PM波のいずれかになるのでしょうか(アマチュア無線の経験しかなく、どうしてもSSB単信のイメージと比べると信号処理の手順がわかりません)
まず、デジタル変調とアナログ変調の違いですが、デジタル信号(1か0か、もしくはそれらの組み合わせの00、01、10、11など)で搬送波(平たく言えば高周波信号、要するにアンテナから電波となって飛んでいく高周波信号)を変調すれば、それがAMだろうとSSBだろうと、あるいはFMだろうとデジタル変調になります。
符号化というのは、送りたいデジタル信号を、何らかの規則に従ってデジタル符号に変換する操作です。…と言っても抽象的なので、具体的な例を挙げます。
コンピュータの画面上で、「abcdefg….」といったアルファベットを入力し、それをデジタル無線で相手まで転送することを例に挙げます。
もちろん電波の形が直接「a」とか「b」になる訳ではないので、「a」「b」…に対応したデジタル信号に変換します。良く使われているのはASCIIコードと呼ばれていて、たとえば「a」であれば16進数の61、「b」なら16進数の62といった具合です。これを2進数に直すと、16進数の61は01100001、16進数の62は01100010となります。ここで初めて、例えば「01100001」が送られてくればそれはアルファベットの「a」である、という共通認識ができました。これが「ASCII符号化」です。
この信号をのまま電圧変化に変えて、例えば「0V-5V-5V-0V-0V-0V-0V-5V」として振幅変調や周波数変調を掛けて電波に乗せれば相手にデータが伝わりますが、これでは効率が悪いため、例えば0Vと5Vだけではなく、0Vが00、1Vが01、2Vが10、3Vが11…のような決まりを作れば、「01100001」は「1V-2V-0V-1V」の電圧変化で済みます。つまり信号を圧縮することができ、従来の半分の時間でデータを送ることが出来るようになります。これも符号化の一種です。このように、何かの決まり事を作ってデータの形を返還することが符号化で、符号化の結果データを送るための時間を圧縮できたり、暗号化したりすることができるようになります。
上の例で示したような手法でデータ送信にかかる時間を短くすれば、残りの時間を他の送信者が利用することができます。また、例えば「01100001」の信号を送るとき、ある送信者は0を500Hz、1を750Hzに置き換え、別の送信者は0を1000Hz、1を1250Hzに置き換え、またある送信者は0を1500Hz、1を1750Hzに置き換え…という符号化を行うことにより、同時に複数の送信者が同じ電波を利用して信号を送り、受信側では周波数フィルタ(BPF)を使うことで送信者ごとに信号を分離することができます。このような原理を利用して同じ帯域を複数の伝送路が共用するのが多重接続で、これを多地点から同時に行う(携帯電話の基地局と移動端末との関係がこれです)のが多元接続です。
まず、アナログ情報をデジタル情報に;ここが符号化?
はい、アナログ信号をデジタル信号という「何らかの規則に従って別の信号に変換」していますので、これも符号化です。詳しく言えば、アナログ信号をサンプリングしてデジタルデータに変換し(ここは符号化ではなく標本化です)、その標本化したデジタルデータを何らかの規則で転送しやすいデジタル信号に変えるところで符号化を行っています。
ここで符号化したデジタルデータをQAMなどでデジタル変調?
はい、デジタルデータで搬送波に変調を掛けているので、これはデジタル変調です。
デジタルの形にしてしまうと、離散的なデータ(例えば0V、1V、2V…とか500Hz、750Hz、1000Hz…のような飛び飛びの値)にできますので、多重化などが容易にできるわけです。(この例でいえば、0V、1V、2V・・・の間に、0.5V、1.5V、2.5V…などの値をとる別の信号を挿入できる。)
デジタル変調した信号を、電波に乗るようにさらに変調(BPSKとかQPSKとか)
いえ、BPSKとかQPSKは位相変調の方式で、搬送波の位相を変えることで信号を伝送するものです。BPSKやQPSKは位相だけを変調していますが、これに振幅変調も掛け合わて一度に伝送できる信号量を二したものがQAMと思っていただければ結構です。
アマチュア無線の知識でいえば、PM変調(位相変調)した信号をAM変調したものがQAMという感じです。
(アマチュア無線の音声通信で、AM系のSSBとFM変調以外は馴染みが無いですが、実は昭和40年代のFM無線機では、音声信号でPM変調したものを逓倍してFM波にして送信している無線機も存在しました。PM変調波を積分するとFM変調になります)
それを、多重接続方式(TCMAやCDMA、OFDM方式)で電波に乗せて、
多重接続方式は、上に挙げたように「同じ帯域を複数の送信者が共用する方式」のことで、信号を圧縮する符号化を行うことで時間的に余裕を持たせ、その間の時間に別の通信を入れるのがTDMA、複数の信号をそれぞれ別々の符号化を行って混合して送り、受信側で逆符号化を行うことで個別の信号を取り出すのがCDMA、複数の信号をそれぞれ別々の周波数に符号化し、それを合わせて送って受信側で別々の周波数成分を取り出して復調するのがFDMAと思っていただければ結構です。OFDMは理論的にはちょっと難しい概念なのですが、ある周波数帯域を細分化し、細分化した周波数をそれぞれ別個の信号で変調してからそれらを併せて送信し、受信側で細分化された個別の変調波を上手く取り出す技術という感じです。
その信号を復調して、符号化されたデジタル信号へ、これを、さらに、復調(デジタル-アナログ変換;ここの方式名は?)して、アナログ信号???といった順序でしょうか?
はい、そんな感じです。
できれば、代表的な多重通信で、入力信号が、相手側に出力されるまでのブロック構成図を描いていただけますでしょうか。また、その時の処理している信号がアナログなのかデジタルなのかの区別もお教えください。
音声信号をデジタルで多重化して送る場合の基本的な概念は、
アナログ信号ー【A/D変換】ー(デジタル信号)ー【符号化】ー(別の符号化された信号と一緒に)【多重化】ー【デジタル変調】ー(電波)-【デジタル復調】ー【逆符号化】(重なって送られてきた複数の信号から目的の信号を分離抽出)-デジタル信号ー【D/A変換】ーアナログ信号
という感じになります。
また、空間を伝送中の搬送波はAM、FM、PM波のいずれかになるのでしょうか(アマチュア無線の経験しかなく、どうしてもSSB単信のイメージと比べると信号処理の手順がわかりません)
上で説明しました通り、空間を飛んでいる電波は、BPSKやQPSK、16PSKなどで変調されていればPM波、16QAMなどで変調されていればAM+PM波という感じになります。
説明の途中で、例として「ある送信者は0を500Hz、1を750Hz、別の送信者は0を1000Hz、1を1250Hz、またある送信者は0を1500Hz、1を1750Hz」という例を挙げましたが、この方法で単純にFM変調すればそれはFM波となりますが、FM波は周波数の利用効率が悪いという欠点があるため、このような方式は実際に使われることはありません。(アマチュア無線のパケット通信はこの方式ですが、パケット通信は多重化しているわけではないのでちょっと違いますかね。)
以上、返信が大変遅くなってしまったお詫びという訳ではありませんが、具体的な例を挙げて分かりやすく解説してみたつもりです。
参考になりましたでしょうか。
P79パルスレーダーでは「最大放射方向電力の1/2」、p130の八木アンテナでは「1/√2」とあります。レーダー用アンテナと八木アンテナで定義が異なるということでしょうか?
P.79では最大放射方向「電力」、P.130では「電界強度」で規定されています。
電界強度は電圧であり、電力は電圧の2乗に比例するため、電力で1/2と電圧で1/√2は同じ意味となります。
従って誤りではないのですが、分かりにくいことは確かですので、P.131の解説文に次のように付け足してください。
「なお、半値角は、電力が最大値の半分になる角度で定義されます。電界強度は電圧の値で定義されていますから、P=V^2/Rの関係から、電界強度で半値角を考えた場合、最大値の1/√2となる角度ということになります。」
P121の図に「結合用グループ」とありますが「結合用ループ」の誤植では?
その通りです。「結合用ループに訂正お願いします。
P190「尖鋭度」と「先鋭度」が混在していますが、使い分けに何か意味があるのでしょうか?一般的には「尖鋭度」ではないでしょうか?
これは誤植です。「尖鋭度」に統一してください。
P37「信号店」
もちろん「信号点」の誤植です。
P224電波法第19条 「識別信号」とありますが「識別符合」の誤植と思われます。
電波法の条文を確認しましたが、「識別信号」で正しいです。識別信号のうちのひとつとして識別符号が含まれる、という形になります。
P225 設問には「適合するものはどれか」とありますが、解答と解説は「③が誤り」とあり、実際、①②④は適合しています。設問優先ならば答えは①②④、択一ならば設問ミスで③が解となります。これは編集ミスではないかと。
御指摘通りです。設問を「適合しないものはどれか」に訂正お願いします。
2001年に上梓したUnix本から、消防設備士、電気工事士、電験3種、エネルギー管理士と来て、ようやく最も本業(?)に近い無線関係の本を出すことができました。
http://www.kobunsha.org/book/00411.html
私はもともと電子回路から入って無線通信を通して無線工学を専門としてきたので(大学で研究していたのはレーダーですし)、最も良い本が書けそうな分野は電子回路や無線工学だったのですが、世の中、電気関連書籍の需要といえば電気工事士や電験3種などの強電分野が圧倒的に強く、なかなか機会に恵まれずにおりました。
それが今回、弘文社様とのご縁を頂き、執筆にまるまる一年(いや、それ以上だ…)掛かってめでたく日の目を見ました。
内容ですが、同類他書にはあり得ないレベルで分かりやすく書いたつもりです。レビューによる評価も気になるっちゃ気になるのですが、それ抜きにしても「うわー、これってメチャクチャ難しいと思っていたけど、本質はこんなに簡単なことだったんだ!」と目からウロコが何十枚も落ちる読者様が出てくることを切に願っております。笑。
最初に書いた原稿のデータから、多重通信の概要についての説明と、デシベル計算についての話を置いておきます。
一陸特とくれば、次は一陸技向けの参考書を…!となりそうな気がするし、個人的にも一陸技向けのすんげー分かりやすい本を書けば多くの人に喜んでもらえそうな気がするんだけど、さてそれをするとなったら執筆期間どれだけ必要なことか…。
(なお一陸特の本、執筆に一年以上掛かっているけれども実質的に作業をしていた期間は正味一か月程度だった模様←)
以下販売店リンク。
http://www.yodobashi.com/product/100000009002829795/
https://www.amazon.co.jp/dp/toc/4770327188/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392
http://books.rakuten.co.jp/rb/15059469/
https://lohaco.jp/product/L02083579/