【解答】(3)
Y-Y結線は、一次側・二次側共に電圧中性点が物理的に存在するため、その点を接地することで1線地絡時の異常電圧を抑制でき、またその接地線に流れる電流を監視することで確実に保護リレーを動作させられるなどの利点があります。
しかし、現実的に発生する第三調波が還流する経路が無いため、通信線路に対する電磁誘導を起こしやすいという欠点があります。これを解消するため、三次巻線としてΔ結線の巻線を設けることで第三調波を還流させて消滅させる手法が採られています。
【解答】(4)(2)
(a)
これは演算増幅器を利用した基本的な非反転増幅回路ですから、基本中の基本と言えるでしょう。
例えば入力電圧viに1Vの電圧を加えたとすると、回路が正常に動作している限り演算増幅器の-入力端子の電圧も1Vになります。抵抗Rの両端に1Vの電圧を発生させるための電流は、オペアンプの出力端子→αR→R→接地と流れますから、出力端子の電圧voを3Vにするαの値は2となります。
(b)
出力端子から非反転入力端子に対してRC回路が入っているので、出力端子の波形位相と入力端子の波形位相が同じになる条件を求めれば発振条件になります。
ここで5kΩの抵抗をR、0.1μFのコンデンサのリアクタンスをXとすると、
ですから、この式を展開すると、
となります。この最後の式は、分母は有理化してあるので実数ですから、分子の虚数分
がゼロとなれば、出力端子の波形位相と入力端子の波形位相が同じになります。つまり、
が発振条件です。ここにX=1/ωCを代入すると、
ですから、C=0.1μFとR=5000Ωを代入すると、ω=2000が求まります。
発振周波数fに対してω=2πfですから、
となり、約0.3kHzと求まります。
【解答】(2)(2)
(a)
この回路に流れる磁束Φを磁路の断面積で割ったものが磁束密度Bで、磁束密度と磁界の強さHの間には、透磁率をμとして
の関係があります。
題意より、鉄心と空隙の断面積はどれも一定なので、H=B/μより、ある部分での磁界の強さは透磁率μに反比例することが求まります。ここで、空隙における磁界の強さをH0とすると、
ですから、正解のグラフは(2)と分かります。
(b)
磁気回路において、透磁率μは電気回路における導電率と対応します。ここでは真空中(≒空気中)の透磁率μ0に対する比透磁率で定義されているので、この磁気回路は、磁気回路の断面積をSとして
の周回回路と見なすことができます。これらの合成磁気抵抗を求めると、
となります。
電気回路の電源電圧Vに対応する起磁力Fは、コイルの巻数をN、電流をIとして
で表されます。また、磁気回路に流れる磁束Φと磁気抵抗Rを用いると、
ですから、題意よりNI=ΦRを用いて
と書き表せます。磁束密度は、磁束Φを断面積Sで割ったものですから、
と求まります。ここでH=B/μの関係から、
であり、題意よりH=2×104を代入して、
から、N=43.96が求まります。
【解答】(3)(4)
(a)
三相交流の相電圧は200/√3Vで、一相当たりの負荷はRとLの直列ですから、合成インピーダンスは
従って、一相当たりの皮相電力は
力率は、
三相分の有効電力は、
と求まります。なお、計算誤差が積み重なった結果、選択肢の値と少々ずれましたが、電卓を用いて極力四捨五入を行わずに計算すると選択肢と同じ値が得られます。
(b)
まず負荷一相分について考えます。RとLの直列インピーダンスZは
ですから、この逆数のアドミタンスYを求めると、
です。これと並列になるコンデンサを投入し、アドミタンスの虚数分をゼロにするためには、
の虚数分がゼロとなればいいので、分母を有理化して
となることから、分子の虚数項がゼロとなるためには、
となればよいので、これをCについて解くと、
です。但し、これは一相分についてのY結線に対しての静電容量ですから、これをY-Δ変換することにより、
が導出されることになります。