電験3種過去問解説 平成27年機械問10

チョッパ回路には降圧チョッパや昇圧チョッパ、それぞれ複数の回路構成がありますが、各々の回路に対して出力電圧の公式を暗記するのではなく、回路を正しく理解すればすぐに答えが求まります。

まず、この回路で通流率(スイッチがONになっている時間の割合)d=0の場合、当然のことながら負荷抵抗に掛かる電圧はゼロで電流もゼロです。次にd=1の場合を考えると、これは電源電圧がそのまま負荷抵抗に掛かりますから、負荷抵抗に掛かる電圧は400V、つまり抵抗に流れる電流は40Aです。

以上のことから、通流率と抵抗に流れる平均電流は比例することが想定できますから、

d=0でi=0A

d=1でi=40A

d=0.6でi=24A

となり、答えは(4)です。

電験3種過去問解説 平成28年機械問11

電気エネルギは1W×1s=1J、位置エネルギはmghで与えられることを利用します。

題意から、釣合い錘は600kgです。したがって、定格積載質量を載せた状態では、1200kgのかご(エレベータ本体)と600kgの釣合い錘を上下させていることになります。エレベータ上昇時は釣合い錘が下降するので、差し引きすると600kgの質量の物体をモーターで上下させていることと等価です。

さて、このエレベータを90m/minで上昇させているとき、1秒間では1.5mの上昇率であることが分かります。したがって、このエレベータの動力は、

  • 1秒間に600kgの物体を1.5m上昇させるエネルギ

を出せば良いことになります。この時1秒間に増加する位置エネルギは、

  • 600×9.8×1.5=8820[J]

です。題意より機械効率が75%なので、

  • 8820÷0.75=11760[J]

となり、1秒間に11760J、つまり11760Wの電動機を用いれば良いことになるので、答えは(3)となります。

 

電験3種過去問解説 平成28年機械問10

太陽光発電システムは、太陽電池によって得られる直流電力を元にして、直流電力を交流電力に変換するインバータ、各種保護装置などを介して商用電力系統に対して電力を供給します。この時用いられる、インバータと各種保護装置を一体化した装置をパワーコンディショナと呼んでいます。

太陽電池そのものの構造は、PN接合ダイオードと変わりません。このPN接合面に外部から光を照射すると、光のエネルギーを受け取った電子が移動し、電位差が生まれます。この電位差を取り出すのが太陽電池の仕組みです。これを光起電力効果とも呼びます。

太陽電池の負荷特性は、特徴的な性質を持っています。太陽電池から取り出す電流を増加させていくと、ある点まではほとんど電圧が低下しませんが、ある点を超えると一気に電圧が低下してしまうという性質(グラフ図3b)を持ちます。太陽電池から取り出す電力についてのグラフを描くと、グラフは図4aのようになります。

この「ある点」の電流は、そのとき太陽電池に照射している光量によって刻々と変化します。したがって、常に最大電力を取り出すためには、その瞬間瞬間の太陽電池の状態に合わせて取り出す電流を最大公立店にトラッキングする制御が必要となります。このような制御は、昔は難しいものでしたが、現在は高性能な半導体素子(1チップマイクロコンピュータなど)の出現によって安価に実現することができるようになりました。この制御は、MPPT(Maximun Power Point Tracking)と呼んでいます。

 

電験3種問題解説・平成26年・機械・問8

電力でも類似式が出てくる、

  • V=I(rcosθ+xsinθ)

を用いる問題です。Iは負荷電流、rは直列インピーダンスの抵抗分、xは直列インピーダンスのリアクタンス分、cosθは力率、sinθは無効率です。これに題意の値を入力すると、

  • Ir=1000×0.001=1.0V
  • Ix=1000×0.003=3.0V

ですから、定格二次電圧100Vに対してそれぞれ1%と3%です。

電圧変動率は、

  • I(rcosθ+xsinθ)÷100=(0.8+1.8)÷100=2.6%

となり、答えは(5)です。

 

電験3種問題解説・平成25年・機械・問4

誘導電動機の二次入力(=回転コイルに入力される電力)のうち、滑りの割合は二次回路の抵抗負荷として消費され、残り(1-滑り)は機械出力になります。

したがって、滑り0,01の定格運転時は、二次入力の99%が機械出力となっていることを意味します。ここで二次回路の抵抗を大きくして損失が30倍に増えたということは、滑りの値も30倍の0.3に増えたことを意味します。したがって、1-0.3=0.7で虹字入力の70%が機械出力ということになります。

したがって、0.7÷0.99≒0.7、つまり約70%の(4)が答えです。

電験3種問題解説・平成27年・機械・問4

百分率同期インピーダンスは、

「定格運転時に接続されている負荷のインピーダンスに対して、発電機内部の直列インピーダンスの値が、負荷インピーダンスに対して何%であるか」

を意味しています。例えば、仮に全てのリアクタンス分をゼロとして、定格電圧100V、定格出力1kWの発電機があったとすると、その負荷抵抗は10Ωです。もしこの発電機の内部直列抵抗が5Ωであれば百分率同期インピーダンスの抵抗分は50%となり、発電機は150Vの電圧を発生させていることになります。

さて、この問題ですが、力率1.0で運転中ということは負荷は純抵抗です。また、電機子巻線抵抗が無視できて、百分率同期インピーダンスが85%ということは、発電機内部の直列リアクタンスが負荷抵抗の85%の値であることを意味しています。

ここで仮に、出力の定格電圧が100V、定格出力が1kWとします。すると負荷抵抗は10Ωの純抵抗です。負荷電流は10Aです。また、発電機内部の直列リアクタンスは8.5Ωの順リアクタンスであることが求まります。したがって、発電機から見ると

8.5Ωのリアクタンスと10Ωの直列抵抗の負荷に10Aを供給している

という状態になります。このときの発電電圧は、85Vと100Vの二乗平均ですから、約131と求まります。したがって、無負荷にした時の端子電圧は131Vとなり、答えは(4)と求まります。

2018年7月21日・7月28日・8月11日 某A社講座

2018電験三種直前対策【機械】問題

2018電験三種直前対策【電力】問題

2018電験三種直前対策【理論】問題


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電験3種過去問解説 平成25年機械問6

解答1

短絡比の定義より、短絡電流は

  • 1050×1.25=1312.5A

一相を取り出して考えると、相電圧は

  • 6600÷√3=3811V

なので、

  • 3811÷1312.5=2.90Ω

解答2

定格負荷時の負荷抵抗の値は、

  • 3811÷1050=3.63Ω

百分率同期インピーダンスは短絡比の逆数だから、

  • %Z=1÷1.25=0.8

したがって、

  • 3.63×0.8=2.90Ω

電験3種過去問解説 平成28年機械問1

電機子の逆起電圧は、電磁誘導の法則から分かるように、界磁の強さと回転数の両方に比例します。

電動機に負荷をつないだ状態で端子電圧100Vで運転したとき、電機子電流が50Aということは、電機子の巻線抵抗での電圧降下は10Vとなり、差し引き90Vが電機子での逆起電圧と求まります。つまり1500rpm時の逆起電圧が90Vです。

端子電圧を115Vにしたとき、界磁電流が最初と同じということは、回転数が分かれば電機子の逆起電圧が比例計算で求まります。電機子電流は前と同じ50Aということから、電機子の逆起電圧は105Vとなります。

したがって、1500×105/90=1750rpmが答えです。

Windows Tips のメモ

複数のユーザのホームフォルダ名が「ドキュメント」となってしまい、どれが誰のホームフォルダか分からなくなってしまうのは、各ユーザフォルダ内にあるdesktop.iniのせい。こんな時にdesktop.iniを一括削除するコマンド。

del x:\*desktop.ini /f /s /a:h (x:\は削除したいディレクトリ)

 

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