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電験3種過去問解説 平成27年機械問10

チョッパ回路には降圧チョッパや昇圧チョッパ、それぞれ複数の回路構成がありますが、各々の回路に対して出力電圧の公式を暗記するのではなく、回路を正しく理解すればすぐに答えが求まります。

まず、この回路で通流率(スイッチがONになっている時間の割合)d=0の場合、当然のことながら負荷抵抗に掛かる電圧はゼロで電流もゼロです。次にd=1の場合を考えると、これは電源電圧がそのまま負荷抵抗に掛かりますから、負荷抵抗に掛かる電圧は400V、つまり抵抗に流れる電流は40Aです。

以上のことから、通流率と抵抗に流れる平均電流は比例することが想定できますから、

d=0でi=0A

d=1でi=40A

d=0.6でi=24A

となり、答えは(4)です。

電験3種問題解説・平成27年・機械・問4

百分率同期インピーダンスは、

「定格運転時に接続されている負荷のインピーダンスに対して、発電機内部の直列インピーダンスの値が、負荷インピーダンスに対して何%であるか」

を意味しています。例えば、仮に全てのリアクタンス分をゼロとして、定格電圧100V、定格出力1kWの発電機があったとすると、その負荷抵抗は10Ωです。もしこの発電機の内部直列抵抗が5Ωであれば百分率同期インピーダンスの抵抗分は50%となり、発電機は150Vの電圧を発生させていることになります。

さて、この問題ですが、力率1.0で運転中ということは負荷は純抵抗です。また、電機子巻線抵抗が無視できて、百分率同期インピーダンスが85%ということは、発電機内部の直列リアクタンスが負荷抵抗の85%の値であることを意味しています。

ここで仮に、出力の定格電圧が100V、定格出力が1kWとします。すると負荷抵抗は10Ωの純抵抗です。負荷電流は10Aです。また、発電機内部の直列リアクタンスは8.5Ωの順リアクタンスであることが求まります。したがって、発電機から見ると

8.5Ωのリアクタンスと10Ωの直列抵抗の負荷に10Aを供給している

という状態になります。このときの発電電圧は、85Vと100Vの二乗平均ですから、約131と求まります。したがって、無負荷にした時の端子電圧は131Vとなり、答えは(4)と求まります。