「2012年機械」カテゴリーアーカイブ

電験3種過去問解説 平成24年機械問15

(a)

S1とS4がONになっているときS2とS3はオフなので、S1とS4のトランジスタを導線に置き換え、S2とS3を完全に切り離した回路を考えると、これは電池EとRLの直列回路だということが分かります。したがって、最初は電流が小さく、次第に増加していくはずです。また、idとioは全く同じ波形になるはずですから、波形は(ア)と(エ)しかあり得ません。

S2とS3がオンの場合も同じですが、ただしidとioの波形はプラスマイナスが逆転した波形になります。これも(ア)と(エ)の組み合わせにある通りです。

(b)

誤っている記述は(4)

「ダイオードが導通することによって得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させている」というのは誤りです。

トランジスタは、エミッタ・コレクタ間の逆耐圧が大変低いため、このダイオードが入っていないと、スイッチング時にコイルに蓄えられていたエネルギによる逆電圧でトランジスタが破損してしまいます。これを防ぐためにCE間にダイオードを入れ、トランジスタの破損を防いでいます。

電験3種過去問解説 平成24年機械問14

NOT・AND・ORの動作を理解していれば、Xの出力は直ぐに求めることができるかと思います。問題はYの出力です。

Yの出力は、

  • BとCのNAND
  • AとCのNAND
  • AとBのNAND

の3出力のNANDです。真理値表を作れば確かにすぐ求まる問題なのですが、ここではド・モルガンの法則を用いてみます。

ド・モルガンの法則をブール代数の式で表すと何やら難しい式になってしまうのですが、この法則を視覚的?に言えば、

  • ANDは、入力・出力全てを反転させたORに置き換えられる
  • ORは、入力・出力全てを反転させたANDに置き換えられる

という事になります。つまり、Yにつながる3入力NANDは、入力の3本に否定を入れて、出力の否定を取り去ったORに置き換えられることが分かります。

このようにして回路を置き換えると、Y出力はAとBのANDと、BとCのANDと、そしてAとCのANDの3出力を単純にORしただけだと分かります。これより、Y=1が求まり、答えは(1)となります。