【解答】(1)
誘導電動機は、回転磁界を作り出す固定巻線の中に、両端を低抵抗で短絡された回転巻線を置いた構造です。これは変圧器と同じ原理で、二次入力(変圧器の二次巻線とみなせる回転巻線)に与えられる入力は同期ワットと呼ばれます。
二次入力に対して、機械出力と二次銅損の比は(1-s):sです。滑りsが負の値である場合は、外部の機械入力から電力を取り出す発電機として動作していることになります。
【解答】(4)(2)
(a)
皮相電力S、有効電力P、無効電力Qの間には、力率角をθとして、
の関係があります。したがって、
で求まります。また、
であることから、各負荷の皮相電力にsinθを掛ければ無効電力成分が求まりますので、求める無効電力は、
となり、約3900kvarと求まります。
(b)
電圧変動を求める公式
を利用しますが、線路インピーダンス分はリアクタンスのみなのでIXsinθのみで計算できることになります。
ここで、10MV・Aベースに対して、1000kvarの無効電力の影響が0.8%の電圧変動を引き起こすということより、
となればよいので、これよりX=0.08が求まります。
【解答】(5)(1)
(a)
等価回路を考えれば、すぐに答えが求まります。
3線一括の場合、対地静電容量は3Ceです。2線を接地した場合の対地静電容量は、Ce +2Cmです。このとき、
ということが分かります。充電電流はコンデンサのサセプタンスに比例しますから、これはそのまま静電容量に比例します。したがって、静電容量比は30:7.5となり、Ce / Cmの値は4.0と求まります。
(b)
対地静電容量Ceひとつに流れる充電電流は30Aです。
線間静電容量に掛かる電圧は、定格の三相電圧を加えたことから線間電圧はEとなるため、定格電圧の1/√3で測定した場合の√3倍になります。したがって、2か所の線間静電容量に流れる電流は7.5×√3≒約13Aとなります。
これらのベクトル和を求めるのですが、線間静電容量に流れる電流の位相は、対地静電容量に流れる電流に対して±30°であるため、図のようにベクトル合成することで合成電流を求めることができ、
30+13cos30°+13cos30°≒52.5と求まります。
【解答】(5)(3)
(a)
求める燃料消費量をxとすると、発生した総電力量は、
で求められます。また、発電出力は、1W×1s=1Jであることから、
となるので、
を解いて、xは約2805(単位:トン)が求まります。
(b)
2805トンの重油に含まれる炭素の質量は2805×0.85=2384トン、水素は421トンです。
これらの燃焼には、化学反応式より
が必要なことが分かります。言い換えると、
が必要ということになります。したがって、
合計9725トンの酸素があれば完全燃焼できることになります。ここで、1m3の空気に含まれている酸素の質量が求まれば必要な空気量が計算できます。
空気中の酸素濃度が21%であることから、22.4Lに含まれている酸素は
と求まり、1m3の空気だと、1m3=1000Lであることから、
となります。これより、必要な空気量は、
と求まります。