P81の解説を詳しく教えてください。まず、コンデンサの場合デルタからスターにした場合に3倍になるのか後RL直列+コンデンサ並列の場合の展開をわかりやすく教えてください。急に解説なしにアドミアタンスやサセプタンスが出てきて意味がわかりませんまずアドミタンス、サセプタンスとは何ですか。またどのような時に使うのですか
まず、コンデンサをデルタからスターにした場合に3倍になる理由ですが、これは、35ページの例題と全く同じですので、35ページも併せてご覧ください。抵抗のΔ-Y変換では、Δ型をY型にする場合、抵抗値は例えば
で求められました。これは抵抗値(=電圧÷電流)に注目しており、コンデンサでも同様にリアクタンス(=1/jωC)を用いて変換できます。しかし、コンデンサのリアクタンスは、1/jωCの式から分かるように静電容量の逆数に比例します。
したがって、Δ-Y変換で抵抗値が1/3になるところであれば、コンデンサは逆数なので3倍の値になるわけです。
http://wp.khz-net.co.jp/?p=712
も併せて参照頂ければと思います。
RL直列+コンデンサ並列の場合の展開をわかりやすく教えてください。
この問題の回路において、Y型の1素子のインピーダンスは、7.96mHと6Ωですから、6+j2.5Ωです。これをY→Δに変換すると、インピーダンス値は3倍になりますから18+j7.5ΩのΔ型回路となります。
ここでΔ型の一素子について考えると、18+j7.5Ωと並列に(1/jωC)を入れた合成インピーダンスの虚数分がゼロとなればいいことになります。しかし、並列回路なのでインピーダンスでは考えにくいため、逆数を取ってアドミタンスで計算します。
急に解説なしにアドミアタンスやサセプタンスが出てきて意味がわかりません
まずアドミタンス、サセプタンスとは何ですか。またどのような時に使うのですか
アドミタンスはインピーダンスの逆数、サセプタンスは、リアクタンスの逆数です。電気の世界では「~タンス」が色々と出てきて最初は訳が分からなくなるのですが、以下にそれらをまとめます。
- 抵抗…電圧÷電流がレジスタンス、レジスタンスの逆数がコンダクタンス
- コイル・コンデンサ…電圧÷電流がリアクタンスその逆数がサセプタンス
- 抵抗とコイル・コンデンサの直列・並列回路…電圧÷電流がインピーダンス、その逆数がアドミタンス
なお、レジスタンス=抵抗値、コンダクタンス=導電率です。単位は、
- レジスタンス・リアクタンス・インピータンスが[Ω](オーム)
- コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスが[S](ジーメンス)
となります。
これらの使い分けですが、レジスタンス・リアクタンス・インピータンスは「電圧÷電流」で定義されていますから、抵抗やコイル、コンデンサなどの直列回路の場合に使いやすい値です。なぜかと言えば、直列回路では各素子に流れる電流が同一ですから、値を求める計算で割り算の分母が共通になるからです。もし分母が共通にならないと、通分する必要が出てきて、できない訳ではないですが計算が面倒になります。
コンダクタンス・サセプタンス・アドミタンスは、回路が並列になっている場合に使いやすい値です。理由は同じで、並列回路では各素子に掛かる電圧が同じですから、「電流÷電圧」を計算する場合、割り算の分母となる電圧が共通だと計算しやすいからです。