「質問回答」カテゴリーアーカイブ

SAT電験3種講座 機械 質問回答(電験3種 平成26年 機械 問15 同期電動機の出力計算)

電験3種機械の過去問H26年問15に関しての質問です。同期電動機の出力を求める時に電圧を端子の相電圧400/ルート3を代入してるのですが、同期電動機の出力は逆起電力を代入するのではないですか?同期発電機の出力を求めるなら端子の相電圧を代入しても良いとおもうのですが。

御質問承りました。
ご指摘の通り、同期電動機が出力を生み出すのは、電機子両端の電圧(電動機自体端子電圧ではなく、電機子に発生する逆起電圧)×電機子電流です。

しかし、出題に「電機子の巻線抵抗、および機械損は無視できて、力率1で運転」いう条件がありますから、電動機の端子電圧=電機子に発生する逆起電圧とみなせるいうことを前提として、端子の相電圧を用いて計算しているわけです。

SAT電験3種講座 受講生質問対応

というわけで、SAT社の電験3種講座にて受講生さんからの質問や御指摘などについて返答した内容をここにアップしていきます。
世に出てからというもの、誤植などのミスが見つかった時は、本当に身を切られる思いがする事もあります。
何とか、できる限りのフォローをしていきたいと思ってこの場を再活用していこうという次第でございます。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成23年 理論 問7 テブナンの定理)

質問です。H23年理論 問7過去問解説の中で抵抗Rxの所で2端子を取り出して計算するとの解説がありますが、計算方法が分かりません。計算式を教えていただけますでしょうか?

まずテブナンの定理をおさらいすると、

「電源や抵抗などで構成されたある回路網の中から2点を取り出し、その2点から回路側を見ると、1つの電圧源+1本の抵抗に置き換えることができる」

というものでした。これをRxの両端の2点に適応して考えてみます。まず条件1のとき、Rxを取り外してその2端子間に発生する電圧を求めると、

  • 6E/96=E/16

次に、この2端子から回路側を見た抵抗値を求めると、電圧源の内部抵抗はゼロですから、R1とR2が並列接続されたものと同じことになり、

  • (90×6)/96=540/96=135/24[Ω]

したがって、この2端子から回路側を見ると、

  • E/16ボルトの電圧源と135/24Ωが直列

になっているものと等価になります。
次に条件2のとき、Rxを取り外して2端子間に発生する電圧を求めると、

  • 4E/74=2E/37

次に、この2端子から回路側を見た抵抗値を求めると、

  • (70×4)/74=140/37

したがって、この2端子から回路側を見ると、

  • 2E/37ボルトの電圧源と140/37オームが直列

になっているものと等価になります。
この2つの等価変換回路に抵抗値Rxをつないで電流Iが等しくなるわけですから、オームの法則により回路電流Iを求めて、

  • (E/16)/(135/24+Rx)=(2E/37)/(140/37+Rx)

これを解くことによりRxが求められることになります。
まず、両辺に(135/24+Rx)(140/37+Rx)を掛けると、

  • (140/37+Rx)(E/16)=(135/24+Rx)(2E/37)

両辺をEで割り、さらに両辺に(16×37)を掛けると、

  • 37(140/37+Rx)=(2×16)(135/24+Rx)

これを展開して、

  • 140+37Rx=(32×135)/24+32Rx

32Rxを左辺に、140を右辺に移項して、

  • 5Rx={(32×135)-140×24}/24

両辺を5で割り、分数の計算をすると、Rx=8が求められます。

SAT電験3種講座 機械 質問回答(電験3種 平成25年 機械 問4 誘導電動機の性質)

平成25年度機械問4について、よく理解できないので詳細な解説を教えてください。宜しくお願いします。

電気回路の受動素子には、抵抗・コイル・コンデンサの3種類があり、

  • 抵抗は両端にかかる電圧と電流が時間的に同一のタイミングで
  • コイルは両端にかかる電圧に対して電流が時間的に90度遅れて
  • コンデンサは逆に90度進んで

流れます。電圧×電流=電力ですが、電圧と電流に90度の位相差が生じるコイルとコンデンサは、いったん電力を受け取るものの、それを磁気エネルギや静電エネルギに変換して蓄え、そしてまた電源側に送り返すことにより、実質的な電力(有効電力)を消費しません。

さて、誘導電動機を始めとした電動機は、電線をコイル状に巻き、そこに発生する磁界を利用して力を生み出しています。したがって、電動機を電気回路に置き換えると、本質的に大きなコイルと、銅線内部の抵抗で表すことができます。ここで、いくら電動機やその他の電気機器といえども、

  • 抵抗は電力を消費し、コイル(やコンデンサ)は電力を消費しない

という原則が変わることはありません。したがって、もしも誘導電動機の内部回路を100%超伝導のコイルや部材で構成し、電気的にも100%コイル成分のみの回路にしたとすると、これは有効電力が完全にゼロとなり、全く回転しないことになります。

モーターが回転するということは、必ず力×距離の仕事を生んでいますから、無効電力100%の装置が仕事は発生させないのです。つまり、誘導電動機内部の巻線等による抵抗成分が小さければ小さいほど、巻線等に生じるジュール熱による損失は増えますが、それじゃあ完全にゼロΩの超電導材料を使って構成すると、その誘導電動機は回転力を生まないのです。

誘導電動機は、固定されたコイルの中に回転コイルを置き、固定コイルによって生じる磁束が回転コイル内を貫き、それによって回転コイルに生じる電流が二次的に作り出す磁束と、固定コイルが作る磁束の間で力を発生します。上で説明した通り、誘導電動機がどれだけの機械的出力を生み出すかは、回転コイルが持っている抵抗値に依存します。このとき、誘導電動機の一次側から見て、二次側すなわち回転コイルで消費される電力は、滑りの値とイコールになります。滑りが1、つまり回転がゼロのときは、誘導電動機に流れ込む有効電力は全て回転コイルが持っている抵抗に消費されます。軸を固定して回転が止まったままモーターに電源を入れっぱなしにすると、モーターが焼けてしまうのはこれが原因です。

また、滑りが0の場合は、固定コイルが作る回転磁界と二次コイルの回転速度が同一なので、二次コイルに発生する電圧がゼロですから回転コイルで消費される電力も当然ゼロです。

問題を見ましょう。滑り0.01で定格運転をしているので、電動機の入力電力を1とすると、0.99が機械出力、0.01が回転コイルの銅損であることが分かります。二次回路の損失が30倍になったということは、0.01×30=0.3が回転コイルの銅損であり、残り0.7が機械出力ということになります。

したがって、最初が機械出力0.99、後が0.7ですから、0.7÷0.99=約70%が答えということになります。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(コイル・コンデンサ・抵抗のベクトル図)

理論のディスク7のRLCの並列回路のベクトルで、電流を基準にした場合、コンデンサは電流が進むので上方向に書くのはわかりますが、ーjが付いているので下方向に書いても問題(何かの支障) はありますか?上下変わっても、ベクトルの大きさは変わらないのですが、今後の勉強を進めていく上で、何か問題があれば教えてください。

上記の質問でRLC並列回路でコンデンサは電流を基準と書きましたが、電流ではなく電圧でした。電圧を基準とした場合、コンデンサは電流が進むので上方向に書くのはわりますすがーjが付いていても、下方向ではなく、上に書くべきでしょうか?と言う内容でした。

お手数をおかけして、申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願いいたします。

おっしゃる通り、RLC回路のベクトル図は、何を基準にしてベクトル図を描くかによって、コンデンサを上に書いたり(+j)下に書いたり(-j)が変わってきますので、今描いているベクトルが何を基準にしていているかを、良く気を付けなければいけません。

もう一度改めて基本を確認しますと、

  • コイルは、両端にかかる電圧に対して、流れる電流が90°遅れる。
  • コンデンサは、両端にかかる電圧に対して、流れる電流が90°進む。

これが基本となります。ですから、RLC並列回路において、(電圧と同位相の電流が流れる抵抗の)電流を基準にしてベクトル図を描くと、コンデンサに流れる電流は上向き90°(+j)、コイルに流れる電流は下向き90°(-j)となり、これらを合成したものが回路に流れる全電流となります。

次に、RLC直列回路についてベクトル図を描くときは、(流れる電流と同位相の電圧が発生する抵抗の)電圧を基準にしてベクトル図を描くことになりますから、

  • コイルは、流れる電流を基準にすると、両端に発生する電圧は90°進む。
  • コンデンサは、流れる電流を基準にすると、両端に発生する電圧は90°遅れる。

ことになり、抵抗の両端に発生する電圧を右に、コイルに発生する電圧を上向き90°(+j)、コンデンサに発生する電圧を下向き90°(-j)にとってベクトルを描いて合成したものが、RLC直列回路の両端に発生する電圧になります。

最後に、RLC直列回路の合成インピーダンスを求める場合です。インピーダンスは、素子にかかる電圧を流れる電流で割ったものですから、

  • コイルは、両端にかかる電圧Vを、遅れ電流(ーj)で割るので、複素数の性質から+jのリアクタンス値
  • コンデンサは、両端にかかる電圧Vを進み電流+jで割るので、計算結果はーjのリアクタンス値

となります。したがって、RLC直列回路の合成インピーダンスは、抵抗が実数軸、コイルのリアクタンスは+j、コンデンサのリアクタンスはーjに取って合成することになります。

なお、RLC並列回路の合成アドミタンスを求める場合は、リアクタンスの逆数のサセプタンスで和を取りますから、コイルがーj、コンデンサが+jとなります。しかしRLC並列回路の計算は面倒なので、その計算を伴う問題が出題されることは余りなく、実際上はRLC並列回路においての電流値の合成、RLC直列回路においての電圧値の合成、そしてRLC直列回路においてのインピーダンス合成を押さえておけば大丈夫かと思います。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成24年 法規 問12(b) 力率改善と電圧降下の計算)

法規24章の例題について解説をお願いします。

この問題は、理論で出てきた有効電力と無効電力、皮相電力の関係と、電力で出てきた、抵抗とリアクタンスを含む線路の電圧降下の簡略式を使います。

まず、求めやすい値から求めます。工場の負荷が2000kW、最初の力率が0.6ということから、皮相電力や無効電力を求めることができます。有効電力をP、無効電力をQ、皮相電力をX、電圧と電流の位相差をθとすると、

  • P=Xcosθ
  • Q=Xsinθ
  • tanθ=sinθ/cosθ

より、

  • Q=Ptanθ

という式が成り立つことが分かります。また、

  • (sinθ)^2と(cosθ)^2を足すと1

ですから、P=2000kWのとき、

  • Q=Ptanθ=P(sinθ/cosθ)=P(√(1-0.6^2))/0.6=2666.7[kVar]

と求まります。電圧降下の簡略式は、線路の電流をI、送電線の抵抗をr、送電線のリアクタンスをxとして、

  • √3I(rcosθ+xsinθ)

でした。題意より、力率改善後において、送電端は6600V、受電端が6300Vですから、電圧降下は、

  • √3I(rcosθ+xsinθ)=300V

です。また、負荷で消費される有効電力は、三相電力の式から

  • 有効電力P=√3×受電端電圧×負荷電流×cosθ
  • 無効電力Q=√3×受電端電圧×負荷電流×sinθ

なので、

  • 300=(有効電力×r÷受電端電圧)+(無効電力×x÷受電端電圧)

と変形することができます。ここでr=0.5Ω、x=1Ωを代入すると、

  • 300=(2000000×0.5÷6300)+(Q×1÷6300)

となるので、ここから

  • Q=890[kVar]

が求まります。したがって、

  • 2666.7-890=1776.7[kVar]

が、電力用コンデンサによって吸収された無効電力値ということになります。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成19年 法規 問12 変圧器の全日効率計算)

法規23章の例題について解説をお願いします

変圧器の基本的な性質については、機械や電力で出てきた通りです。鉄損は通電中変化せず、銅損は負荷電流の2乗に比例することを利用します。

まず、1日の鉄損を求めます。これは150Wとありますから、

  • 150×24=3600[W・h]=3.6[kW・h]

とすぐに求めることができます。

次に銅損です。これは変圧器の巻線抵抗によるジュール熱ですから、P=I^2Rより、負荷電流の2乗に比例します。変圧器の二次側電圧が一定であり、電力は電圧×電流で求められますから、銅損は負荷電力の2乗に比例すると言い換えることができます。したがって、グラフの各時間帯の銅損を求めると、

  • 0~6時は負荷電力4kWより、270×(4/20)^2
  • 6~12時は負荷電力12kWより、270×(12/20)^2
  • 12~18時は負荷電力16kWより、270×(16/20)^2
  • 18~24時は負荷電力6kWより、270×(6/20)^2

で、各時間帯の銅損による損失電力量を求めることができます。

これを計算し、鉄損である3.6[kW・h]と合計すると、1日の総損失は5.43[kW・h]と求められます。

変圧器の全日効率とは、1日を通して出力した電力量の、入力電力に対する割合を示しますから、1日の総出力電力量は、

  • 0~6時は負荷電力4kWより、4×6=24[kW・h]
  • 6~12時は負荷電力12kWより、12×6=72[kW・h]
  • 12~18時は負荷電力16kWより、16×6=96[kW・h]
  • 18~24時は負荷電力6kWより、6×6=36[kW・h]

以上の総合計が228[kW・h]となります。

したがって、全日効率は、228/(228+5.43)で求められることになります。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成17年 法規 問13 水力発電所の水量と発電電力計算)

法規22章の例題について解説をお願いします

この問題は、1日を通じて1秒間に12立方メートルの水が流れてくる川に水力発電所を設置した場合の問題です。

  • 1日当たりの総流入量

1秒あたりに流れ込む水の量に、1日の時間を掛けることで求められます。1分が60秒、1時間は60分、1日は24時間ですから、60×60×24=86400秒が1日の秒数です。したがって、12×86400で1日の水の総流量を求めることができます。

  • 発電電力

問題文より、この発電所は24時間に流れ込む水の全量を12時~18時に使用して発電していることが分かります。1日の総流量は、前問の答えより1036800立方メートルですから、これを6時間で使い切って発電することより、発電中の1時間当たりの水使用量は1036800/6=172800立方メートルということになります。

電力は、1秒あたりの電気エネルギー(単位はジュール)を表しますから、発電中の1秒あたりの水使用量を求めます。すると、172800/3600=48立方メートルということになります。(1時間=60分×60秒=3600秒で割りました)

この水が、有効落差80mを流下して発電機を回します。水の位置エネルギーはmghで与えられ、mは質量(単位:㎏、1立方メートルの水は1000㎏)、gは重力加速度で固定値9.8、hは高さで80mですから、

  • mgh=(48×1000)×9.8×80=37632000

となり、1秒間に37632000ジュールすなわち37632000Wの電力が得られることが求まります。但し、実際に取り出せる電力は、この値に効率0.85を掛けて、31987200W、つまり31987.2kWとなります。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成24年 法規 問10 B種接地抵抗の計算)

法規21章の例題について解説をお願いします

B種接地抵抗は、電技解釈に規定されているように、C種やD種のような固定値ではなく計算して求めた値となります。B種接地は、高圧から低圧に変圧する変圧器において、万が一高圧側と低圧側の巻線がショートしてしまった場合、二次側に現れる電圧を一定以下に抑えるために設けられます。例えば100Vのコンセントに、変圧器のショートで1000Vや2000Vが発生したら大変なことになります。

さて、この時二次側に発生する対地電圧は、当然ながらオームの法則より、

  • 対地短絡電流×接地抵抗

となります。ということは対地短絡電流を求める必要があるのですが、これを求める式は出題文中にある通りです。この式に従って値を求めると、1.13Aが地絡電流となります。しかし、電技解釈には、

1線地絡電流の計算結果が2A未満の場合は2Aとして計算すること

という項目があるため、これを2Aとして計算します。

電技解釈の条文中、

1秒以内に自動的に動作する遮断器を設置した場合のB種接地は、

600÷(1線地絡電流値)

で計算する

という項目があるため、これに従って計算することで600÷2=300Ωが答えとなります。電技解釈の条文は、インターネットで検索することですぐに見ることができますので、条文に目を通して確認することをお勧めしております。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成21年 法規 問13(b) 遮断機の遮断電流計算)

法規20章の例題について解説をお願いします

この問題は、配線用遮断器に求められる遮断電流を求める問題です。

電源をショートしてしまうと非常に大きな電流が流れますが、この遮断器は万が一その下流で配線がショートした場合でも安全に電流を遮断できる性能が求められます。

ショート時は非常に大きな電流が流れることは分かっているので、それなら1000000000000…アンペアでも遮断できるような設備を設置すれば理論上問題はないのですが、そんな超巨大な設備を設置したところでショート時にそんな巨大な電流が流れることはないですから、結論として理論上考えうる最大電流が遮断できる性能を持っていれば良いことになります。

というわけで、CB1、CB2ともに、その直下で配線がショートした場合に流れる短絡電流を求める問題です。

まず、CB1について考えてみます。もしCB1直下で配線のショートが起きた場合、そこに流れる電流を決定するのは、変圧器内部の巻線によるインピーダンス値になります。変圧器に発生する電圧とインピーダンスのオーム値が求まっていれば、電圧÷インピーダンスで電流は求められるのですが、ここでは基準容量、基準電圧、百分率抵抗降下、百分率インピーダンス降下の値しか与えられていませんので、この値からどのように短絡電流を計算するのか知らなければなりません。

「百分率インピーダンス」というのは、

変圧器や発電機が定格運転しているとき、定格電圧・定格電流から求められる負荷の定格インピーダンスに対して、変圧器や発電機の内部巻線のインピーダンスがどの程度の割合なのか、という指標の値

です。もし、定格負荷インピーダンスに対して、変圧器などの内部巻線のインピーダンスが1%であったとすると、短絡したときに流れる電流は定格電流の100倍であることが分かります。百分率インピーダンスは、このようにして使います。

例題の変圧器は、

  • 基準容量200kVA
  • 基準電圧210V

ですから、流れる電流は

  • 200×1000÷210

で、暗黙のうちに三相交流ですからこれを√3で割り、約550Aと求められます。

この電流を百分率インピーダンスで割ることにより短絡時の電流が求められますが、問題では百分率抵抗降下と百分率リアクタンス降下の値しか提示されていませんので、抵抗とリアクタンスの合成インピーダンスの求め方に従い、これらの2乗和を求めます。すると

  • √((1.4%)^2+(2.0%)^2)=約2.44%

の百分率インピーダンス降下ですから、

  • 550÷0.0244=約22.5kA

が短絡電流として求められます。

CB2も同じです。CB2に関しては、CB2直下でショートが起きたとき、変圧器の巻線とCB1~CB2をつなぐ電線の合成インピーダンスにより短絡電流が求められます。もちろんCB1~CB2間のケーブルが増えた分、CB1に比べて短絡電流は小さくなります。

  • 変圧器の百分率抵抗降下が1.4%
  • ケーブルの百分率抵抗降下が8.8%

ですから、合計すると10.2%、同様にして百分率リアクタンス降下の合計が4.8%です。したがって、合成百分率インピーダンス降下は

  • √((10.2%)^2+(4.8%)^2)=約11.27%

になります。したがって

  • 550÷0.1127≒4.9kA

がCB2における遮断容量となります。

百分率インピーダンスは、普通の電圧・電流・抵抗とはちょっと異なる表現方法ですので、最初は取っ付きにくいと思いますが、考え方や計算に慣れてしまえば単純な計算で求められるかと思います。