「理論」カテゴリーアーカイブ

SAT電験3種講座 理論 質問回答(トランジスタ増幅回路の動作)

〜トランジスタ増幅回路の例〜 についての質問になります

V be が 約0.6㌾ と言われてますが、エミッタ〜アース間に抵抗がつながっているので(コレクタ接地回路)と言うことになる。よって、約0.6㌾という認識でよろしいのでしょうか?

トランジスタのエミッタ~ベース間に発生する電圧VBEは、トランジスタの構造であるP-N半導体接合の接合部分に生じる電圧です。この電圧は、その回路の接地方式やトランジスタの使い方に関わらず、動作している場合は常に0.6V程度の電圧を生じさせているとお考え下さい。

ちなみに、この増幅回路のトランジスタはコレクタ接地回路と言う認識でよろしいのでしょうか?

トランジスタ増幅回路において、どの端子を接地しているかというのは、直流ではなく交流の立場で考えます。

このとき、接続されているコンデンサは直流を阻止し交流のみを通すために設けられていますから、交流で考える場合はコンデンサを短絡して考えます。すると、この回路は、入力がB-E間に接続され、Eは直接接地され、Cから出力を取り出していることが分かります。したがって、エミッタ接地回路になります。

1つの増幅回路に対して、トランジスタの特性全ての特性(エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地)が組み込まれていることはあるのでしょうか?

例えばトランジスタが3個使われている増幅回路で、一段目がベース接地、二段目がエミッタ接地、三段目がコレクタ接地という例は考えられますが、1つのトランジスタに対して全ての接地方式が同時に存在することはありません。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(テブナンの定理の活用方法)

テブナンの定理について質問があります。

理論 テブナンの定理P26-P27

① テブナンの定理でDVDで説明がありましたP26の例題ですが、切り離した60V-40Ω-40Ωの回路は、抵抗が直列でそれぞれの40Ωの抵抗にかかる電圧は30Vで電流が0.75A流れている。

はい、その通りです。

② ショートさせた回路は抵抗が並列になるので、それぞれ40Ωの抵抗に60Vの電圧がかかっていて、全体では3A流れているが、分流しているので、60/40=1.5Aの電流が40Ωの抵抗には流れている。

これは27ページの真ん中の図のことかと思いますが、ちょっと解釈がおかしいようです。

ショートさせた回路は、60V-40Ωー40Ωの2つ目の40Ωを完全に短絡してしまい、その時に流れている電流を考えれば良いわけですから、60V-40Ωー0Ωという回路に流れる電流は1.5A、という事になります。

③ 簡単にした等価回路ですが、20Ωはショートさせた時の並列の合成抵抗。電圧の30Vは、(直列の40Ωにかかっていた30Vは理解できます。)ショートさせた部分には電流が素通しで流れるので、ショートさせた近くの40Ωの抵抗には、電流が流れない。よって、残りの40Ωの電圧が30Vなので、簡単にした等価回路の電圧は30Vである。

結果的にはそういう事になります。

テブナンの定理は、「ある2端子を取り出し、その端子を開放したときの電圧と短絡したときの電流から、それと全く同じ挙動を示す1個の電圧源と、1個の抵抗に置き換えることができる」というものですから、上記のように「開放したら30Vが発生し、短絡したら1.5Aが流れる」のと同じ状況を作り出せばいいわけです。これは、30Vの電圧源と、20Ωの直列抵抗という事になります。

④ テブナンの定理は、P20の例題には使用できない。

適用出来ないわけではありませんが、5Ωを開放したとき、その両端に発生する電圧を求めるとゼロVになってしまいますから、その時点で回路全体の挙動が決定されてしまうため、「1個の電圧源と1本の直列抵抗に置き換え」るまでもない、ということになります。

と理解していますが、大丈夫でしょうか?どこの電圧と、どこの抵抗を使用すれば、簡単な回路になるのかが、きちんと理解ができません。

テブナンの定理は、複雑な線形回路網を単純な回路に置き換えるというものです。そのため、回路中から2端子を取り出し、その挙動から1個の電圧源と1個の抵抗に変換しているわけです。

どのように適用するかは問題によるのですが、抵抗の組み合わせ回路についての過去問を解いていけば比較的容易に勘所は分かるのではないかと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(三相交流のΔーY変換)

16年度版理論テキスト032A 51ページ例題でY-Δ変換の問題ですが、電源側を変換すると200V→600Vでよいのでしょうか?そうすると答えが3倍になってしまいました。宜しくお願いいたします。

三相交流のΔ→Y変換、あるいはY→Δ変換の式(Zab=ZaZb+ZbZc+ZcZa/Zc、などの式)については、その図の回路図にあるように、負荷側を変換するための式です。

電源側をΔからYに変換する場合は、52ページにありますように1/√3倍、電源側をYからΔに変換する場合は√3倍ということになります。

慣れないとゴチャゴチャになってしまいそうですが、Y型では、線間に2個の電源が挟まり、Δ型では線間に1個の電源だけが挟まっている、したがって1個の電源の電圧に対して、Δ型では線間電圧がそのまま1倍、Y型ではそれより高くなって√3倍になる、と考えれば誤ることは無いかと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(PN接合ダイオードに順方向電流が流れる理由)

DVD46P型半導体とN型半導体の25分頃の説明に関して、P型半導体とN型半導体を接合し、そこに電池を繋いだら、マイナスより電子が流れこみ、N型領域に電子が供給されて、N型領域の電子がP型の方へ押し出され、P型のホールと接合部分付近で、カップルが成立する。そして、カップルで成立したものが、電池のプラス極に流れている。と理解しました。

しかし、電池を繋ぐ前の説明では、需要と供給が一致して、不足した穴と余った電子がペアになり、プラスマイナス0となり、消えると説明がありました。なので、接合部分でカップルとなった電子は、消えてなくなるはずで、プラス極に流れないのでは?とも考え、よくわかりません。詳しく、説明をお願い致します。

P型半導体は、電子が不足気味、N型半導体は電子が余剰気味、という性質を持っています。ここでP型半導体に電子を注入すると、電子が不足した孔(ホール)に電子は入り込みますが、それと同時に別の部分から外部に電子が放出されるという動作を行います。

つまり、不足している電子を注入しても常に別の部分から同じだけ流出するので、常に電子不足を維持しています。N型半導体も全く同じで、余っている電子を取り出すと、外部から同じだけ電子が流入し(そもそも、そうしないと回路として電流が流れない)、常に電子余剰を維持します。

さて、外部に回路をつながない状態でPNを接合すると何が起こるかというと、接合面付近で需要と供給が一致し、余剰電子が存在しない、つまり自由に動き回る電子が無いのでそのままでは電流が流れない領域(空乏層)が発生します。

この状態で、外部に回路をつないで、N型領域に電子を流し込み、P型領域から電子を吸い出そうとすると、N型領域から押し出された電子は空乏層に流れ込みます。そしてP型領域に達すると、P型領域内のホールと電子が結合(再結合と呼びます)するのですが、上に書いたような理由で電子が再結合すると同じ分だけ外部に電子が流出するため、P型領域の電子不足は常に維持され、そして回路電流も流れる、という動作になります。つまり、「接合部分でカップルとなった電子は、消えてなくなる」のですが、それと同時に外部に電子が吸い出されるため、P型領域のホールは消滅しない訳です。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(テブナンの定理の説明における誤り)

理論編のdisk1の 07・テブナンの定理のH25年の問6の説明で60分の10 が3分の5だと言っているのですが意味がわかりません。60分の10は6分の1ではないのですか?3分の5とは何の事を言っているのですが?

 

ご指摘の通り、この問題は最終的に「60Ωの抵抗に10Vの電圧が掛かり、流れる電流は60分の10アンペア、これを約分すると60分の10→30分の5→6分の1となり、1÷6≒0.17アンペアと求まる」ことになります。

3分の5は単純な言い間違いでして、もちろんこれは30分の5が正しいものとなります。

混乱させご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。また、ご指摘いただいたことについて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(交流回路の消費電力と力率)

理論テキストP34の例題で、消費電力の求め方なんですが、P=VIで求めた場合、100×20で2000wとなり、1600wとならないのですが、なぜでしょうか?

 

この問題ですが、電力P=VIで計算できるというところまでは合っています。回路が直流だったり、交流の回路であっても部品が抵抗だけの場合はその計算で求めることができます。

しかし、問題の回路をよく見ると、抵抗のほかにコイルが入っています。

コイルは、小学校の頃の電磁石の実験で使った電磁石と同じように電線をグルグル巻いた部品ですが、実はこれは電力を消費せず、いったん受け取った交流の電力を電源側に投げ返すという性質を持っています。

このコイルが挿入されている場合、電力は単純にP=VIだけでは計算できません。コイルと抵抗に与えられる電力のうち、コイルによって投げ返される分を引かなければいけない訳です。

このとき、コイルと抵抗に与えられる電力のうち、抵抗で消費される電力の割合を力率といい、この回路のようにコイルと抵抗が直列になっている場合、

  • 力率=(抵抗の値)÷√(抵抗の値の2乗+コイルの値の2乗)

で計算されます。これを求めると、

  • 力率=4÷√(16+9)=4÷5=0.8

となります。これを2000に掛けると、

  • 2000×0.8=1600

となり、正解が求まることになります。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(コンデンサに蓄えられた電荷量の計算)

理論P101の例題の中の 8×10-3乗Cという式が何を指しているのかわかりません。

この式ですが、コンデンサに蓄えられた電荷量を求めている式です。

電荷量は、コンデンサにたまっている電荷(=電子)そのものの量で、流れ込んだ電流×電流が流れた時間で求まります。

計算式で表すと、Q=∫idtとなります。しかし、この定義式は難しいので、電建3種の試験で覚える必要はありません。

現実的には、Q=CVという式を覚えておけば大丈夫です。Cはコンデンサの静電容量、Vはコンデンサに電荷を蓄えたとき、コンデンサに発生する電圧の値です。

以上のことより、例題の式は、電圧が1000V、静電容量が8μFということから、

  • Q=CV=8×10^-6×1000=8×10^-3

となり、8×10^-3クーロン[C]が求まります。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(コンデンサの物理的性質)

理論P100 31.コンデンサの静電容量と静電エネルギ

DVDの中で・・・45:08からの説明で、

『 同じ電流を流した時に、極板間に発生する電圧が低くなればなるほど電流を流すことができ、静電容量が小さい場合は、ちょっとの電流でも極板の電圧があがり、ε誘電率が大きければ大きいほど、沢山電気が貯められるので、沢山電気を流し込んでもなかなか電圧が上がらない。』

と、説明されてますが、この説明が理解できません。電圧が低ければ、電流を押し出す力も弱いので、電流を流す力が低く電流が流れにくくなり、静電容量=どれだけ電気を蓄えられるかということなので、静電容量が小さければ、電流を流した分だけ電圧を貯めることができるコンデンサは静電容量が小さいので、電圧はあまり上がらず、誘電率が大きければ、沢山電荷が貯められるので、電流を流したら、誘電率が大きい分だけ、電圧が貯められる。という風にしか理解ができません。

すみませんが、詳細な説明をお願い致します。

コンデンサというのは、電荷を溜め込む装置です。電荷は電流×時間で、例えば2Aの電流を4秒間流せば、その間に流れている電荷量は2×4=8クーロン、という事になります。この電荷を溜め込めば溜め込むほど、コンデンサの極板間の電圧は上昇することになります。

これを水の流れで例えますと、水を溜め込む容器と見なすことができます。

「静電容量=どれだけ電気を蓄えられるか」というイメージは、間違ってはいませんが少し誤解があります。コンデンサの静電容量は、水をためる容器の底面積に相当します。底面積が広い容器は、たくさんの水を入れてもあまり水嵩が上がりませんが、底面積が狭ければすぐに水嵩が上がります。

例えば、一定量の水を容器に入れるとします。底面積が広い容器なら、水を入れても嵩は余り上がりませんが、お皿のように平べったい容器だとするとすぐに水は溢れてしまいます。いっぽう、底面積が狭いけれども高さがある容器であれば、水かさが上がっても容器がそれ以上の高さを持っていれば水の全量を入れることができます。

これを電気回路に置き換えると、容器に溜まっている水の総量が底面積×高さであるのと同様、コンデンサに溜まっている電荷量は静電容量×極板間の電圧です。これが、Q=CVという式に相当します。

極板間の誘電体は、等価的に極板の表面積を大きくする作用があります。比誘電率が5の誘電体をコンデンサの極板間に入れると、本来であれば電荷を溜め込んだ結果たとえば極板間電圧が10Vになるところを、誘電体の作用によって5分の1の2Vにすることができます。この誘電体の作用は、水と容器に置き換えることができない(容器中に投入することで容器の底面積を実質的に増やすような部材が現実にはない…)のですが、なんとなくイメージとしてそういう部材があるんだ、と言う位に思っていただければ結構です。

ちょっと分かりにくい説明になってしまいました。

例として、電気回路において、電池の+極ー抵抗ーコンデンサー電池のー極と接続したRC直列回路を考えます。

コンデンサは、上記のような性質ですので、電流が流れ込むにしたがって極板間の電圧が上昇します。抵抗は、電池の電圧とコンデンサの極板間電圧の差の電圧がかかりますので、回路に流れる電流は、スイッチを入れた瞬間(コンデンサの極板間電圧がゼロVなので、抵抗には電池の電圧がそのまま掛かる)が最大で、回路電流が流れれば流れるほど抵抗両端の電圧が下がっていき、回路電流もそれに従って減少していき…という動作となります。これ、厳密にいうと電流はどんどん減り続けるものの、いつまで経ってもゼロにはならず、無限の時間にわたって電流が流れ続けることになります。

この現象の解析には本来微分方程式が必要なのですが、電験3種ではそこまでのものが出題されることはなく、定性的な性質を知っていれば十分かと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成27年 理論 問15 メートルブリッジを用いた電位差計による起電力測定)

過去問、平成27年度、理論、問15に関してです。

毛馬内先生が非常に簡単だとおっしゃっていた問題なのですが、どうしても納得できないところがあります。

まずこの問題の(a)で、私は単純に図2を見て30Ωの50mAなのでExの起電力は30×0.05=1.5Vなのかと思いました。しかし答えを見ると1.8Vだったので、『あ、電池の内部抵抗は無視しちゃダメなのか。』と思いながら解答を確認しました。

するとまずE0の起電力は30Ω×200mA=6V…『この電池は内部抵抗関係ないのか?』と思いながらも解答の確認を続けると、図1でExの起電力を求める時も内部抵抗は考慮されていませんでした。

色々求め方はあるとは思いますが、Rが4.5cmの時の抵抗9Ω、これに電流200mAをかけて1.8VがExの起電力とのことですが、この時なぜ(b)で得られるExの内部抵抗6Ωは考慮されていないのですか?問題文の読み解き方の問題でしょうか?それとも電気的に説明できる話なのでしょうか?ご教授願います。

まず、何故図1のような面倒な方法でExの起電力を求めるかというと、これはExの内部抵抗に影響されず、真の起電力を求めるために行っています。

おっしゃるように図2の回路において、抵抗×電流で起電力を求めることはできるのですが、この時の抵抗は、外部に接続したRと電池の内部に存在する内部抵抗の和となります。電池の内部抵抗が未知なので、図2の方法では真の起電力は求まらない訳です。

図1の回路では、滑り抵抗のa-c間に発生している電圧とExの起電力が完全に一致したときに検流計の針がゼロとなりますから、このとき電池の内部抵抗に電流は流れず、したがって内部抵抗による電圧降下がゼロですから、真の起電力を測定することができます。これが、Exの起電力を求めるときに内部抵抗が考慮されていない理由です。

Exの真の起電力1.8Vが求まり、図2の回路で50mA流れたことから、(30Ω+内部抵抗)に1.8Vの電圧をかけたときに50mA流れることを利用し、内部抵抗6Ωを求めます。

E0については、「30Ωの抵抗に対して200mAの電流が流れる」という条件を満たしてさえいれば、内部抵抗はどうだって良いので、安直に6Vとしているだけなのです。もしかすると、E0の起電力が66Vで、内部抵抗が300Ωの電池かも知れません。しかし、そのような電池でも、「30Ωの抵抗をつないで200mAが流れる」ことには変わりは無く、それによってExの測定には何ら影響を及ぼしません。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(PNPトランジスタの動作原理)

電験3種理論P130に関しての質問です。半導体npnの動作について説明があり、pnpの動作はnpnの逆という説明がありましたが、逆で考えても電流が流れる原理がわからなかったので順を追って説明して頂けますか?

まず前提として復習しますと、P型半導体は、電子が不足して電子の抜けた穴(ホール)が常に存在している半導体、そしてN型半導体は電子が過剰で常に自由電子が動き回っている状態の半導体です。PNP型半導体は、これらをP-N-Pと接合して作られたもので、真ん中のN型領域は極めて薄く作られています。

さて、この半導体のP-N接合に順方向電圧を掛けます。すなわち真ん中のN型領域(ベース)にマイナス、左側のP型領域(エミッタ)にプラスの電圧を掛けます。すると、ベースに流れこんだ電子はエミッタに向かって動き、エミッタ領域のベース直近にあるホール(電子が不足して抜けた穴)と再結合して電流が流れます。

この状態において、ベースからエミッタに流れ込む電子に対して、それと結合するためのホールがベース直近にどんどん集まってきています。

ホールは電子が抜けた穴ですから、相対的な電位が+であるため、電子が引き寄せられます。ベース領域は極めて薄く作られているため、エミッタ内部のベース領域付近に集まってきたホールは、極めて薄いベースを通り抜けてP型半導体であるコレクタ領域に存在している電子をも引き付けてしまいます。これにより、コレクタ領域に存在している電子がベースを通り抜けてエミッタに流れ込んでしまうため、結果的にコレクタとエミッタの間にも電流が流れることになる訳です。

以上のような感じで、ベース電流の増加→エミッタ領域のベース寄りにどんどんホールが集積→ホールが電子を引き寄せる力がコレクタ領域にまで及び、コレクタ領域の電子がベースを通過してエミッタに流れ込む、というようなイメージを持っていただければ宜しいかと思います。