「猫電」カテゴリーアーカイブ

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(コイルとコンデンサの基本的性質)

e-ラーニング講座の猫でもわかる電気基礎の中の⑧コイルとコンデンサ中で、テキストには載っていないが、講師の方が時間にすると16分あたりから右上に説明している青と赤のペンで書かれた図で、電圧と電流の向きの説明の意味がよくわからないです。なぜそのような向きになるのかを、教えてください。お願いします。ちなみに、私は電気は全くの素人で、中学で習ったのが最後ですので、その程度のレベルでもわかるように出来たらお願いします。もしくは、「後々の講座で詳しく説明してあるから、今は流せばいいよ」というのであれば教えてください。よろしくお願いします。
わからなかったのは、電気基礎の講座の中の8②のコイルとコンデンサの中の16分過ぎの右上に書かれた青と赤の図の事でした。よろしくお願いします

交流回路、とくにコイルやコンデンサについては、電機の勉強を本格的に始めた人が必ず引っかかる大きなハードルです。何故そうなるかというと、

  • 電圧は時間的に変化する。
  • 電流も時間的に変化する。
  • 電圧の波形と電流の波形が、時間的にずれることがある。

というイメージが付きにくいことにあります。

乾電池と豆電球、そしてオームの法則のレベルですと、例えば電圧は1.5Vならいつまでも1.5V、電流は2Aなら2Aとなり、電池がだんだん消耗してきて電圧や電流が減ってくるという例を別にすれば、時間的に変化することを考える必要はありませんでした。しかし、交流では、電圧がゼロの瞬間もあれば+50V、+80Vの瞬間もあり、また別の瞬間では-30Vのように、大きさだけでなくプラスマイナスすら常に変化しています。電流も同様です。

そして、電圧と電流の波形が時間的にずれるというのは、電圧が+10Vなのに電流は-4Aの瞬間があったり、またある瞬間では電圧が+40V、電流が2A、ある瞬間では電圧が0Vで電流が-1A…などのように、電圧と電流のプラスマイナスすらあべこべにになってしまう事もあるということです。

何故そんなことが起こるかというと、コイルが流れてきた電流を磁界(磁石)のエネルギとしていったん蓄え、そしてそれを時間的に遅れて放出したり、コンデンサが流れてきた電流を電界のエネルギとしていったん蓄え、それを時間的に遅れて放出…のような働きをしているからです。このように、時間的な波形のタイミングという話をしたくて図を描いたのだったと思います。

もちろん、そんな面倒な話は置いといて公式だけ覚えればいい、という考えもあると言えばあるんですが、先々応用が利くようになるためには、このような基本をおろそかにできないと思います。また、併せて参考書籍として、古い本ではありますが「学研の図鑑・電気」が手に入ればお勧めします。Amazonなどで探すとプレミアがついて非常に高い値段が付いていますが、たまにブックオフで500円程度で見かけることもあります。

今すぐは良く分からなくても、このコイルやコンデンサの働きについては電験3種の本論の話していますので、適宜読み進めたり書籍やネットの情報なども活用して勉強を進めていただければと思います。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(コイルとコンデンサのベクトル図の誤りについて)

疑問点というよりも、恐らく表記ミスだと思いますが一応その個所について質問という形で確認をお願いします。
前回の質問についてご丁寧なご回答をありがとうございます。確かにRLC直列回路のインピーダンスの説明の結論のところでは少し違和感を感じながら説明されている感じがしますね。それで、理論編の14RLC直列回路も拝聴したところ、コンデンサのインピーダンスの説明のところでもDVD画面の説明文の中で途中から、本来コンデンサとあるべきところだと思うのですが、コイルという表記になっています。テキストではありません。コイルのインピーダンス:jwc/1=-j・wc/1とあるのはコンデンサーのインピーダンスの間違いだと思います。
当初はねこ電のところでもコンデンサとコイルの言い間違いではないかというところがありましたので、相当混乱しましたが理解が進むと簡単な間違いなんだなと自分でもわかるようになりました。質問によって確認してほしいとのことでしたので改めて質問しました。

**様

いつもながら恐れ入ります。メール頂きありがとうございます。

今回の講座では、種本となる「丸覚え!電験三種 公式・用語・法規の超重要ポイント」を元に、まずは書籍内の図を外部業者にトレースしてもらい、そのデータを用いて私がPowerpoint上でビデオ収録用の資料を作成して解説しています。さらに、ビデオ収録が2015年の夏、テキスト執筆が2015年暮に初版、2016年暮に改訂版という流れでして、図のトレースミスや私の勘違いなどもあり、100%完璧な講座とはならなかったことは深く反省し今後の改善につなげていきたいと考えております。

重ね重ね、お付き合いいただき本当に有難うございます。今年2017年の夏に講座ビデオ、テキスト共に全面的に改定する予定ですので、反省を踏まえて出来る限りミスや解説漏れなどの無いように尽くしていきたいと考えております。

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(力率の定義)

電験3種の講座の電気基礎講座テキスト38ページ

力率が悪いというのは、力率100%と力率10%ではどちらが悪いと判断するのでしょうか。

力率というのは、見かけの電圧×電流で求める皮相電力に比べ、実際に消費された(エネルギーとして取り出せた)電力の割合を表す数字です。

したがって、力率10%というのは、大きな電圧×電流を流し込んでいるのに、実際に得られるパワーが小さい事を意味しますので、力率10%のほうが悪いという事になります。ちなみに、最高が100%、最低が0%です。

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(抵抗の電圧降下と電位差)

電気基礎講座P44-Q03の問題について

解き方としては、断線部分をまずないものとして直列の回路図として考え

  1. 電圧を100V+100Vで200V
  2. 直列なので、20Ω+30Ω=50Ω
  3. 200Vを50Ωで割り算し4Aを出す
  4. そして20Ωと30Ωの電圧を導き出し80Ω・120Ωとする。

それからa点が100V・b点の電圧200-80=120Vですが、どうしてそうなるのかがよくわかりません。

御質問承りました。考え方として、1~4まで、全く問題ありません。

電圧というのは、相対的なものです。例えば、乾電池は1.5Vの電圧ですが、マイナス端子を基準にすればプラス端子が+1.5V、プラス端子を基準にすれば、マイナス端子がー1.5Vの電圧になります。

1の段階で、「電圧を100V+100Vで200V」としていますが、これは暗黙のうちに、回路の一番下の電線を基準の0Vとし、端子aが+100V、そして上の電池の+端子が+200Vとしています。逆に、a端子を基準にして、上側の電池の+端子を+100V、下側の電池のー端子をー100Vと考えても構いません。

以上のことを念頭に置いて、暗黙のうちに一番下の電線を基準の0Vとして考えます。端子a・b部分を無いものとして考えると、100Vの電池が2個直列、そして負荷に20Ωと30Ωの合計50Ωがつながっています。負荷の30Ωの下側端子が0V、20Ωの上側端子が+200Vですから、ここに流れる電流は、オームの法則から200÷50=4A。すると、20Ωの両端に発生する電圧が4×20=80V、30Ωの両端に発生する電圧が4×30=120V。従って、30Ωの下側の端子が0V、上側の端子が120V。

ここで、端子aは、一番下の線を0Vとして考えると+100Vが出ていますから、a-b間の電圧は120-100=20V、以上答えとなります。

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(コイル・コンデンサのリアクタンスベクトルの誤りと訂正)

P34のRLC直列回路でのインピーダンスで、図ではコイルのリアクタンスのベクトルは下向きのマイナスを向いています。電圧の合成の図ではコイルの電圧のベクトルが上方のプラスだったのに対し、なぜリアクタンスの図では逆を向いているか?ということについて毛馬内先生は詳しく解説されています。虚数を使ってコイルのリアクタンスはXL=VL/-jIになり、=jV/Iでプラスになる。とここまでは理解できるのですが、そのあとで先生は、「だから先ほどとは(電圧のベクトル?)逆になっているんですよ」とおっしゃっています。ここが理解できていません。

私の理解では、XL=VL/-jI なら電圧基準で電流側がマイナス90度遅れているのでベクトルは下向きのイメージですが、本質的にはXL=jV/Iになりプラスになると思うのでベクトルの方向は上向きのプラスになるのではないか?という疑問がぬぐい切れません。なのにどうして図のコイルのリアクタンスのベクトルはマイナスの方向を向いているのでしょうか?ちなみにその直後の説明で、コイルの場合もV/+jI=-jV/Iとご説明されているのはコンデンサのことのように思えます。よろしくお願いします。

ご質問承りました。

まず、この部分につきましては、完全に私のミスでございます。

ご指摘の通り、電圧のベクトルとインピーダンスのベクトル、いずれも上向きがコイル、下向きがコンデンサとなります。

これは、収録時に使用した図をトレースした際、上下がひっくり返っていたことに気付かずにそれをそのまま喋ってしまったことが原因でした。

とはいえ、収録前に精査せず喋ってしまったのは私の落ち度ですので、深くお詫び申し上げます。(そういえば、収録時になんか違和感を覚えていたのは確かです。その時にビデオを停止して良く確認すべきでした。)

今年2017年の夏には、電験3種の講座を再集録する予定でございますので、このようなミスの無いよう十分に気を付けて臨むことにいたします。

ご迷惑をお掛けして誠に申し訳ございませんでした。

SAT電験3種講座 猫電 質問回答(直流回路の電位差)

誰でも分かる電気基礎講座テキストp44のQ3でa-b間の電圧というのはどこの部分ですか?
どの部分か分かるようにマーキングお願いします。
あと、解答でなぜ最も低い部分を0Vと置くのか、a-b間の電圧で120-100になるのか 全体的に分かりやすい解答をお願いします!

まず、a-b間の電圧については画像を添付しますのでご覧いただければと思います。

もっとも低い部分を0Vとする理由ですが、これは勿論どこを基準電圧と置いても構いません。電圧というのは相対的なもので、物理学的に言って究極的には宇宙の果ての無限遠点をゼロとします。

とはいえ、この回路ではそんな難しいことを考える必要は無く、100Vの電池が2個直列、それに対して20Ωと30Ωの2本の抵抗が直列になっている、というだけの回路と考えれば良いですから、一番下の線を0Vと置くことで、a点は+100V、20Ωの上の点は+200V、そしてオームの法則より20Ωの両端の電圧は80V、30Ωの両端の電圧が120Vということで、b点の電圧は、一番下の線を0Vとした場合に相対的に+120Vである、と考えたわけです。

もちろん、a点が0V、20Ωの上の線が+100V、30Ωの下の線が-100V…というようにa点を基準電位の0Vと考えても、a-b間の電圧差が20Vとなることに変わりはありません。