SATさんの方で、質問対応の専門人員を確保してくださることになりました。
これまで、長いと一週間ほど質問を貯めてしまっていたので、だいぶ状況は改善されるかと思います。もちろん、そちらで回答できない質問については私に回ってくると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます…。
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これまで、長いと一週間ほど質問を貯めてしまっていたので、だいぶ状況は改善されるかと思います。もちろん、そちらで回答できない質問については私に回ってくると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます…。
機械H25、問13
フィードバッグ制御についての問題です。
入力と出力の関係がわかりません。
この手の問題は、2入力(V1とD)に対して1出力であり、線形のシステムですから、重ね合わせの原理を用いて計算すると答えを求めることができます。
まず、D=0としてV1とV2の関係を求めます。
どこを1と置いても良いのですが、G1の入力を1とすると、G1の出力はG1、G2の出力はG1G2、したがってV1=1+G1G2です。
つまり、
になるので、V2/V1=G1/(1+G1G2)からV2={G1(1+G1G2)}V1です。
次に、V1=0としてDとV2の関係を求めます。
V2=1のとき、G2の出力はG2、G1の出力は-G1G2ですから、このときのDは1+G1G2です。つまり、
になるので、V2/D=1/(1+G1G2)からV2={1/(1+G1G2)}Dです。
以上2つを足し合わせることで、答えが求まります。
一見、この方法でもV1とDを共に考えて1つの式で答えが求まる気がしてしまいますが、V1とDは完全に独立した入力なので相互作用は発生しません。したがって、入力対出力ごとに式を立てて、それを重ね合わせる(足し合わせる)ことで答えを求めます。
機械編の28講論理演算とブール代数の例題(b)の質問です。解説でz=1、z=0とおいて選択肢を検討していますが、その解説が理解できませんでした。よろしくお願いいたします。
ブール代数の計算式は、本来であれば論理式を展開して計算した結果、回答の式にたどり着くのが正しい方法ですが、さほど難しくない計算式であることと、電験3種の受験生はブール代数の計算が苦手な方が多いだろう、という推測から、「元の式に値を代入した結果と、答えの選択肢の式に値を代入した結果が同じであればいい」という逆側の発想により解説したわけです。
まず、出題の論理式でZ=0と固定すると、Zとの積は常に0になるので、残るのはX・Yのみです。この段階で、回答選択肢の②③は除外されます。つぎに、Z=1と固定すると、出題の論理式はX・Y+¬X・Y+¬X・¬Yとなるので、¬Xで括るとX・Y+¬X(Y+¬Y)となります。
ここで、(Y+¬Y)は常に1となりますから、結局¬Xが残って、出題の式はX・Y+¬Xとなります。
これは前提条件としてZ=1ですから、回答の選択肢と照らし合わせると、¬X・Zが含まれている⑤が残ることが分かります。
※¬は論理否定の記号で、¬XというのはXの上にバーが付いているものと同じ意味です。
機械 H25問3
三相誘導電動機の回転磁界
(4)(5)の違いがよくわかりません。
(4)については、NS隣り合う磁極の角度なので
360/磁極と理解しています。(例)
2極なら、360/2で、NとSの角度は180°
4極なら、360/4で、NとSの角度は90°そうすると(5)について、同じようなことを言ってそうですが、
電気角が360°で(4)と異なります。
(4)と何が違うのでしょうか?
まず(4)ですが、おっしゃる通り、NS隣り合う磁極の角度ですから、360/磁極です。棒磁石が1本ある場合、N-S間の角度は180°、棒磁石を2本クロスした場合、隣の極との間は90°…のイメージ通りです。これは、複数極を持つ電磁石の、物理的な極間の角度を思い浮かべて頂ければ結構です。
(5)については、「1周期の間に、回転磁界は電気角で」360°回転するとなっている点がポイントです。1周期360°の間に棒磁石がぐるっと回転するイメージを持っていただければと思います。電磁石に交流を流した場合、磁界0→N-S→0→S-N→0と発生する磁界は、交流のsin波形どおり1周期で360°回ります。
以上のようなイメージで考えて頂ければ宜しいかと思います。
機械のテキストP23の例題の質問です。三相発電機なので相電圧は1/√3であることを考慮して5000000/6600×√3=437.4Aとなるとあるのですが、6600×√3は線間電圧ですか?Y結線になっているのですか?回路図はどのようになっているのですか?よろしくお願いいたします。
おっしゃる通り、同期発電機の内部結線はY結線になっていることを前提としています。何故Y結線かというと、
といった利点があるからです。
三相電力は、線間電圧(三相電圧)をV、線電流(三相電流)をIとして、P=√3VIで求められます。何故そうなるかというと、Y結線の一相当たりの発電電圧がV/√3、電流はI、そしてそれが三相分有りますから、3×(V/√3)×I=√3×V×Iだからです。したがって、I=P/(√3V)で電流が求まり、これよ5000000/6600√3で電流を求めています。
回路図は、三相同期発電機内部がY結線で、その一相当たりの発電電圧が(6600/√3)ボルトとなっています。
機械 H27問4発電機の端子電圧を求める問題
詳しい解説をおねがいします。解説では√1^2+0.85^2=1.3と説明されています。問題文に、定格電圧に対して、端子電圧は何倍か?とあります。イメージとして、定格電圧・端子電圧を求めて、端子電圧/定格電圧 を計算するといった ような手順でとくように感じますが、先生の解説だと、とくに定格電圧を求めていないような気がします。
この問題ですが、具体的な定格電圧(=定格運転時の端子電圧)を求める必要はありません。適当にVと置くなり、あるいは勝手に100V、定格電流10Aなどと決めてしまっても構いません。
同期発電機は、純粋な交流電圧源に、直列インピーダンス(=同期インピーダンス)として巻線の抵抗・リアクタンスが直列に入り、出力端子に導き出されているものと考えられます。このとき、出力端子の時点で定格電圧・定格電流が供給できるのであれば、極端な話、電圧源が何ボルトであっても、同期インピーダンスでの電圧降下と出力端子の電圧の辻褄が合っていれば構わないことになります。例えば、ベクトルを考えない単純計算でのイメージですが、出力の定格電圧が100Vだったとして、
などがあっても構わないということです。但し、これらを無負荷状態にすると、出力端子の電圧は、前者は110V、後者は300Vとなってしまうわけです。
さて、出題より、同期インピーダンスが85%であり、巻線抵抗が無視できるということは、定格出力電圧・出力電流時に、同期インピーダンス=同期リアクタンスでの電圧降下が、定格出力電圧の85%であることを意味します。したがって、添付のベクトル図の通り、1(これは定格出力電圧を1と置いているわけです)の2乗と0.85の2乗の√を取れば発電機が発生している電圧が求まることになります。
下の図は、具体的に定格電圧が100V、定格電流が10Aと置いてしまった例です。同期インピーダンスが85%ということは、100V÷10A=10Ωに対して85%の8.5Ωが同期インピーダンスですから、定格出力100V・10A時に、コイルでの電圧降下が85Vであり、したがってこれらを合成した131.2Vが電圧源の電圧と求まります。
機械編のテキストのP9の例題の質問です。はじめの例題でE=kΦNでこれを機械出力P=EIに代入するとp=(kΦN)Iになり、どうして解答のp=kNI^2になるのですか?
直流直巻電動機は、固定電磁石として回転コイルに対して磁界を与える界磁巻線と、磁界を発生しながら回転し、界磁によって与えられた磁界との間で磁石の吸引・反発力を生み出す回転コイルの巻線とが直列に接続されているのが特徴です。
小学校の理科の電磁石の実験でも分かるように、電磁石の強さは、流す電流に比例します。従って、界磁巻線が作る磁界の強さΦは、比例定数をkとしてΦ=kI(電流に比例する値)として表すことができます。
一方、回転コイルの逆起電圧は、界磁電流をIとして、界磁によって与えられた外部磁界Φ=kIとコイルの巻数Nに比例するのでkNΦ=k’NI(左辺のkとは異なる定数になるのでk’としました)であり、それと回転コイルに流れる電流Iを掛けたものが出力Pとなるのですが、前述のように界磁巻線と回転コイルの巻線は直列ですので、結局k’NI×IでIが2乗になるわけです。
次の例題で逆起電力を求めるのに電動機が600rpmで回転しているときの誘電起電力200Vに2.2と0.5を掛けていますが、電機子に発生する起電力は磁束と回転数に比例するということで2.2をかけているのですか?2.2と0.5を掛けているのはどうしてですか?
2.2を掛けている理由はその通りです。これも小学校の理科の実験で、コイルに棒磁石を入れると電流が流れるという実験があったと思いますが、棒磁石をゆっくり入れると小さな電流、素早く入れると大きな電流が流れました。これは、コイルに発生する電圧は、磁界の変化の速度に比例するからです。電動機の回転数が速いほど、回転コイルから見た磁界の変化速度も速くなりますから、回転数が2.2倍だと逆起電圧も2.2倍ということになります。
0.5は、界磁電流を半分にしたためです。回転コイルに対して与えられる磁界は、固定された電磁石である界磁巻線によって与えられますが、当然この巻線に流す電流が大きければ大きいほど強い磁界を発生するわけです。界磁電流が半分なら、発生する磁界も半分、したがって回転数が同じであれば、界磁電流を半分にした時に回転コイルに発生する逆起電圧も半分です。
そしてトルクT=KΦIより、界磁電流半分で同一トルクをうむためには電機子電流が2倍必要と書いてありますが、ここの意味が理解できませんでした。
最初の項で書きました通り、電動機は、固定された電磁石によって発生する磁界と、回転コイルによって発生する磁界同士が反発したり引きつけ合ったりする力を用いて電力を機械的な力に変えています。したがって、生み出す力は、回転コイルに流れる電流と、固定電磁石に流れる電流の両方に比例することになります。
以上のことより、界磁電流を半分にするというのは、固定電磁石が作り出す磁力を半分にすることを意味していますから、その前と同じだけの力を生み出すためには、回転コイルに流す電流を2倍にしなくてはいけないわけです。
電験3種機械14ダイオードに関する質問です。脈絡をなくすためにコイルは負荷に直列、コンデンサは並列に接続すると例題でおっしゃられていましたがなぜですか。
まず、コイルとコンデンサの性質についておさらいします。
コイルは、直流に対してはゼロΩ、そして交流に対しては、周波数に比例したリアクタンスを持ちます。つまり、直流を通し、交流を通しにくい性質を持ちます。
コンデンサは、直流に対しては電流を流さず、交流に対しては周波数に反比例したリアクタンスを持ちます。つまり、直流を阻止し、交流を通しやすい性質を持ちます。
脈流というのは、直流と交流が混ざっている状態です。したがって、負荷に向かって電流が流れる途中にコイルを入れると、直流は素通しし、交流に対しては通しにくいことになります。コンデンサを並列に挿入すると、負荷に流すべき直流は通過させず、負荷に流したくない交流成分を負荷に流さずコンデンサの中を通してしまう役割を果たします。
これらの働きにより、脈流を直流化して負荷に供給することができます。
解説の中で、回転速度、同期速度から、滑りを求めています。そこから、下記計算によって、二次入力を求めています。
- 二次入力×(1-S)=機械出力
- P×(1-0.045)=20
以上から、二次入力は、20.9W
この部分↓の考え方が分からないです。
- 二次入力×(1-S)=機械出力
参考書をみると
- 二次入力:二次銅損:機械出力=1:S:(1-S)
となる、とあります。(覚えるとのこと)
これからすると、確かにそのような式になるのですが、なぜそのようになるのでしょうか?
そのように覚えればいいのですが、納得のいく理解ができていません。テキストを見直しましたが、その理由がいまいちわかりませんでした。解説の方ををお願いいたします。
滑りが0のとき、どうして二次回路に誘起される電圧がゼロになるのですか?滑りが1のとき、二次回路に誘起される電圧が最大値になるのはどうしてですか?s=0.1のとき、二次回路に発生する電圧は静止状態のときの0.1倍になるのはどうしてですか?一次側一相に換算した全抵抗分が90Ωになるのはどうしてですか?
それでは、順番に考えていきます。
誘導電動機というのは、三相交流によって作られる回転磁界の中に、両端を低抵抗で短絡された(巻線型誘導電動機の場合は、その抵抗を外部に引き出して特性を調整できます)回転コイルが挿入されているものです。電源が投入されると、回転コイルを横切る磁界が加えられますから、ファラデーの電磁誘導の法則にしたがい、回転コイルである二次側回路にも電圧が誘起されます。
これはちょうど変圧器と全く同じ構造ですが、二次側のコイルが機械的に回転するところが変圧器と異なる部分です。変圧器であれば、一次側に50Hzの電流を流せば二次側も50Hzとなりますが、誘導電動機の場合、もし仮に二次側コイルが、電源周波数によって作られる磁界の回転速度(同期速度)の半分の速さで回転していたとすると、相対的な周波数は25Hzとなり、二次側回路に発生する電圧の周波数は25Hzです。これはちょうど、100km/hで走る車を止まって見れば100km/hですが、60km/hで走る車から見ると相対的に40km/hに見えるのと同じ原理です。
ここで、滑りsを定義します。滑りは、
の値です。s=1なら二次側の回転速度はゼロで、s=0なら、回転速度=同期速度です。例えば、s=0.1であれば、回転速度は同期速度の90%となります。
このとき、二次側に誘起される交流の周波数は、同期速度と回転速度の差になりますから、s=0なら50Hz、s=0.1なら5Hzです。つまり、二次側コイルの回転速度によって、二次側コイルに流れる電流の周波数は50Hz~0Hzまで変化することになります。
以上の事を前提として、誘導電動機の二次側の等価回路を考えます。
二次側回路は、変圧器の二次側巻線に直列抵抗と直列リアクタンスが入ったものですから、下図のように表せます。
s=1、つまり停止時に誘起される電圧をE2、その時のコイルのリアクタンスをxとします。
回転が上がってくるとs値は1~0の間の値になります。ファラデーの電磁誘導則から、コイルに発生する電圧は単位時間あたりに横切る磁束に比例するため、二次側に誘起される周波数だけでなく電圧も低下していきます。
したがって、二次側回路の電圧源をsE2、そしてコイルのリアクタンスも周波数に比例しますからsx、そして抵抗は周波数や電圧・電流に関係なくrとなるため、上図のような回路と見なすことができます。この回路は、
なので、二次回路に流れる電流は、図中にも書いたように
です。電圧・抵抗・リアクタンスを全てsで割っても回路電流は同じはずですから、図で書いたように
と書くこともできます。
次に、この回路に機械的出力を生み出す負荷抵抗に相当する抵抗Rを入れます。先ほどの回路でr/sとした二次回路の抵抗をrに戻し、その代わりR=(r/s)-rと置くことで、図の回路の全体的な電圧・電流・抵抗・リアクタンスを同じにすることができます。
何故r/sをrに戻したかというと、二次回路に流れる電流Iは仮想的な値ではなく実電流であり、その実電流の2乗に、仮想的なr/sではなく実抵抗のrを掛けたもの(P=r×I^2)が実銅損になるからです。
Rは、もちろん実際に回路に挿入される実抵抗ではなく、機械出力となる仮想抵抗です。この仮想抵抗はどこに存在するかというと、一次巻線と二次巻線との相互作用により、二次巻線に誘起される力率1の電圧として現れます。
電気回路・交流回路の基本に立ち返って考えてみると、
だったはずです。したがって、一次巻線との相互作用により、二次巻線に流れる電流Iと同相で電流を妨げる向きの電圧Vが発生すれば、それは仮想的に抵抗V/Iと同じなのです。この仮想抵抗で消費される電力は、もちろん熱となるのではなく、電動機の機械的出力となります。
この抵抗Rを挿入した回路において、実電流Iが流れたときの電力損失を求めると、全電力はI^2(R+r)、銅損はI^2r、そして機械出力はI^2Rとなり、これらの比は1:s:(1-s)となります。
機械テキスト9ページの2個目の例題の下から三行目の 「200×2.2×0.5」の0.5と一番下の「220+40×0.4」の0.4は、どこか ら出て来たのでしょうか?
直流電動機の電機子(回転コイル)に発生する逆起電圧は、ファラデーの電磁誘導の法則により、単位時間当たりに回転コイルを貫く磁束の変化量とコイルの巻き数の積に比例します。コイルの巻き数は回転中に変わりませんから、単位時間あたりにコイルを貫く磁束の変化量に注目すれば良いことになります。
単位時間あたりにコイルを貫く磁束の変化量は、コイル自体の回転数と、外部から与えられる固定磁界の大きさに比例します。外部から与える固定磁界は、他励電動機ですから、励磁巻線に流す界磁電流に比例することになります。
問題の条件より、回転数が600rpmから1320rpmになるという事は、回転数が2.2倍です。もし励磁電流が変わらなければ、巻線に発生する逆起電圧は2.2倍になります。しかし、「界磁電流を半分にして」とありますから、逆起電圧はその半分(0.5倍)になります。これが0.5の数字の元です。
以上をまとめると、600rpmで回転している最初の誘導起電力(逆起電圧)が200Vという事なので、1320rpm回転時の逆起電圧は、200×2.2×0.5=220Vという事になります。
トルクは、電動機の回転軸の出力(平たく言えば、力の大きさ)ですから、巻線の巻き数kと、外部から与えられる磁界の大きさφと、回転コイルに流す電流Iの積で求まります。出題文より、外部から与えられる磁界(界磁)の大きさが半分になっているのに、最初と同じトルクを得る(負荷はトルクが一定、という条件から)ためには、巻き数を2倍にするか電機子電流を2倍にする必要があります。当然巻き数は自由に変えられませんから、電機子電流を2倍の40Aにする必要があることが分かります。
電機子抵抗は、電機子巻線と電動機の端子の間に直列に入っている抵抗成分ですから、電機子自体の誘導起電力が220V、電機子抵抗が0.4Ω、電機子電流が40Aとなれば、電動機の端子に与えるべき電圧は、誘導起電力に電機子抵抗の電圧降下分を足した値となり、220+0.4×40で求めることになります。これが0.4の値の理由です。