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電験3種過去問解説 2019年電力問1

(1)(2)(4)(5)…正しい記述です。

(3)…誤り。

Wikipediaから引用すると、「タンデム式は、発電機としても揚水機としても運転できる1台の発電電動機を、軸を同じくして発電用水車と揚水ポンプとで共有するもの。 ヨーロッパで発展した方式で、発電時・揚水時とで発電用水車・揚水ポンプとを使い分けるので総合的に効率がよく、早期より高落差にも対応できていた」。

なお、別置式は発電機と揚水ポンプを別々に設置するもの。ポンプ水車式は、発電用にも揚水用にも使える一台の水車を発電・揚水に共用するものです。

電験3種過去問解説 2019年理論問18

デジタルテスタ等で幅広く使われている二重積分型AD変換の基本原理に関する問題です。

(a)

1…解説文と図より、kVxT1と容易に求まります。

2…時刻T1の段階でVmまで充電された電荷をkVr(t-T1)で放電していくことになります。解説文と図から容易に求まります。

3…動作原理より、入力電圧が高いほどT1におけるVmの値は大きくなるため、それを0Vまで放電していくのにかかる時間T2は長くなることになります。解説文より、T1は固定ですから、例えば入力電圧Vx=VrならT2=T1、Vx=2VrならT2=2T1…となることが読み取れます。したがって(T2/T1)Vrと分かります。

4…周期と周波数は反比例の関係です。

以上より、正解は(1)です。

(b)

(a)が求まればそれに当てはめて求めるだけです。基準電圧が2Vで、測定電圧で充電された電荷を放電するのに充電の2倍の時間がかかっていることは、測定電圧は2×2=4Vです。正解は(4)です。

 

電験3種過去問解説 2019年理論問17

(a)

図1を見ると、上側がPchMOSFET、下側がNchMOSFETですから、入力が0のとき出力が1、入力が1のとき出力が0となるインバータとして動作します。

図2を見ると、NANDゲートは「11のとき出力が0、それ以外は出力が1」ですから、インバータとして動作するのはイとハです。正解は(5)です。

(b)

デジタル回路が苦手だと解析が難しい!と思うかもしれませんが、実はラッキー問題です。

性質Iを満たすには、入力端子が無くても自動的に動作し続ける(発振し続ける)必要がありますから、これは回路ニです。性質Ⅱを満たすには、入力が2つある必要がありますから、これは回路ヘです。したがって正解は((2)です。

電験3種過去問解説 2019年理論問16

電源側がY結線、負荷側もY結線、そしてコイルやコンデンサのリアクタンス値も既に書かれているので、ラッキー問題です。一問前が少し難しかったので調整したかな?但し、電圧が線間電圧で与えられているため、相電圧は√3で割った115Vで考える点にだけ注意が必要です。

(a)

負荷一相当たりで考えます。LCの並列サセプタンスは|1/10-1/20|=1/20[S]なので、リアクタンスは20Ω、したがってLC並列部分に流れる電流は5.77Aです。抵抗に流れる電流は115÷10=11.5Aですから、5.77Aと10Aの二乗平均を取ると約13Aとなり、答えは(3)です。

(b)

第2種電気工事士レベルの超ラッキー問題です。電力を消費するのは抵抗だけですから、一相当たり115V×11.5A≒1.33kW、これが3本で合計約4kWです。正解は(4)です。

電験3種過去問解説 2019年理論問15

(a)

電気力線は、電界の様子を可視化した線です。電気力線と電界面とは垂直に交わるので、導体床面(=電位がゼロ)に対しては垂直に入らなければいけないはずです。これに合致するのは(5)です。

(b)

本来は、力学の仕事の定義を理解していないと解けない問題です。仕事は(力)×(距離)で求めますので、クーロン力と移動距離の積で求めます。題意より、点Oに固定した電気量ーQ/4のクーロン力からhの距離にあるQの電荷が受ける力は、クーロンの法則より

F=Q^2/(16πε0h^2)

ですから、求める仕事は∫Fdxとなり、xをhからzまで積分したものとして求められます。これを計算すると(3)の式が求まります。

しかし、これは積分の知識が必要ですから、電位の定義と電位を求める公式から解いてくださいということだと思います。Qクーロンから距離rの点の電位は、

V=Q/4πε0r

で求められますが、電位とは「単位電化を無限遠からその位置まで持ってくるのに必要な仕事」を意味しますから、この式を用いてQ/4クーロンからhの点とzの点での電位差を求め、その値にQを掛けた値として解答を導き出してくださいという問題です。

いずれにしても答えは(3)となります。

最速合格 第一級陸上特殊無線技士 模擬テスト (国家・資格シリーズ 412)  質問解答・誤植訂正

「412 一陸特模試テスト」のP106の問題9と「よくわかる 第一級陸上特殊無線技士 合格テキスト」のP31の問題1が選択肢の順番は違いますが同じ問題で、解答の選択肢が異なっておりました。どちらが正しい解答になりますでしょうか?

どちらの問題も「キャリア1本あたりのシンボルレートを高くできる」が誤りですので、問題1の方が正しく、106ページ問題9は正解は「5」となります。御迷惑をお掛けして申し訳ありません、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

電験3種過去問解説 2019年理論問13

一般に増幅回路増幅度は、低い周波数と高い周波数で落ち込み、中間の周波数が最も増幅率が高いという山型の特性を持っています。負帰還を掛けることによって、この中間部分の増幅度の山を抑えて平らに均すという働きをします。したがって、負帰還率が高ければ高いほど見かけの増幅度は小さくなりますが、周波数特性は広い範囲にわたって均一となります。もちろん、電源電圧や周囲温度などの変動による増幅回路の特性変化も、負帰還率によって抑え込まれる利得以上の暴れであれば抑え込まれます。

以上より、(1)(2)(3)は誤りで、(4)については増幅回路の入力を1、出力をA、帰還回路の出口をβAとおくと、入力は1-βA、出力はAとなるので、回路全体での増幅度は

A/(1-βA)

です。このときβAが1より十分小さいときの回路利得はAとなるので、これも誤りです。

正解は(5)です。

電験3種過去問解説 2019年理論問12

高校物理の力学の基礎の問題です。

電界Eの中でqクーロンの点電荷が受けるクーロン力は

  • F=qE

で求められます。このときの点電荷の加速度は、運動方程式より、

  • a=F/m=qE/m

となります。点電荷はこの加速度を受けて右側に運動します。

初速度v0、加速度aの物体のt秒後の変位は、

  • x=vot+(1/2)at^t

ですから、これにv0=0、a=qE/m、そして点電荷の変位x=d/2を代入することでtが求まります。これを求めると、

  • d/2 = qEt^2/2m
  • → t^2=md/qE
  • → t=√(md/qE)

となり、答えは(1)となります。

電験3種過去問解説 2019年理論問11

太陽電池は、ダイオードと同じPN接合の接合面に光を導入し、光のエネルギによって電子と正孔が生成され、それを外部に取り出すことで電池とするものです。したがって、(ア)はダイオード、(イ)は正孔です。

(ウ)の選択肢は、エネルギ保存の法則から導けます。太陽電池は、降り注いだ光エネルギの一部を電気エネルギに換えて取り出す装置ですから、もし電気エネルギを取り出さなければ、降り注いだエネルギは結局すべて太陽電池内で熱エネルギとなります

したがって、負荷接続後の太陽電池温度は低くなることになります。正解は(1)です。