SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成27年 理論 問16 コンデンサのΔ-Y変換)

電験3種の理論のテキストP35の解説部分の9行目「Y回路を見ると、b-c間はCが2個直列になっています。この合成静電容量が4.5μFとなればよいので、求めるべきCは9μFです」この結論のプロセスがよくわかりません。計算も含めて教えていただけますでしょうか。

Y-Δ変換、またはΔ-Y変換というのは、抵抗やコイル、コンデンサなどの3素子で構成された3端子回路において、それらをΔ型に接続した回路とY型に接続した回路で、相互に変換できることを指しています。

出題の図でいえば、3μFのコンデンサ3個をΔ型に接続した左側の回路と、何かしらのコンデンサ3個をY型に接続した右側の回路で、外部から見た挙動が全く同じものにできるというわけです。

まず1つ目の考え方です。Δ型回路のb-c(あるいはc-d、b-dで考えても良いです)の2端子間を見ると、これは3μFのコンデンサ1個がb-c間に接続され、それにb-d、d-cと2個のコンデンサが直列に接続されたものの並列と見なせます。

3μFのコンデンサを2個直列にすると、直列接続したコンデンサの合成静電容量の式より、1.5μFになることが分かります。したがって、b-c間には、3μFのコンデンサと1.5μFのコンデンサが並列接続されているように見えます。コンデンサの並列静電容量は単純な足し算ですから、b-c間の静電容量は4.5μFに見えることになります。もちろん、c-d、b-d間も4.5μFに見えます。

ここで右のY回路を考えると、b-c間、c-d間、b-d間のどこを取っても、CμFのコンデンサが2個直列に接続されているように見えます。Δ-Y変換は、3端子から見た挙動が全く同じであれば良いので、C=9μFとすることによりb-c、c-d、b-d間どれを取っても4.5μFに見えることになり、これが答えとなります。

2つ目の考え方は、抵抗のΔ-Y変換と同じ式を使う方法です。

もしコンデンサではなく抵抗であれば、Δ型回路の抵抗値を1/3にしてY型に接続すれば変換できます。抵抗の代わりにコンデンサのリアクタンス1/ωCを使えば、1/ωCを1/3にしてY型に接続すれば変換できることになります。

ここで、(1/ωC)×(1/3)=1/ω3Cですから、Cを3倍つまり9μFが答えとなります。

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