50÷0.94=53.19で機械入力を求めているのですが、どうして定格出力÷効率=機械入力になるのですか?53.19-50-1.89-0.2=1.10で固定損を求めていますがこの式の意味が分かりません。宜しくお願い致します。
発電機や電動機は、電気エネルギと機械エネルギを相互に変換する装置です。機械的なエネルギを入力して電気エネルギを取り出すのが発電機という事になります。
機械にしても電気にしても、機械抵抗や電気抵抗、その他の要因があるため、入力したエネルギが100%変換されるという事はなく、必ず何らかの損失成分が発生します。この損失成分は、抵抗によるジュール熱、空気中を回転することによる風切り損失、ベアリングなどの機械的接触による損失、磁束の一部が漏れ出すことによる損失…細かく言えば、かなり色々な損失要因が挙げられるわけです。
さて、この問題では、定格出力・定格電圧が規定されていますから、その定格出力を得るために入力された機械的エネルギと定格出力との差が損失成分になる、という観点から求めていきます。発電機の効率が94%と分かっていますから、
- 50kW÷0.94=53.19kW
が、定格出力を得るために発電機に入力される全機械的エネルギになります。つまり、3.19kW分が、電気的・機械的損失の総和です。
この3.19kWから、界磁回路の抵抗による損失を引くと、界磁回路は200Ω、そこに掛かる電圧が200Vであることから、
- P=V^2/R
より0.2kWを引いて2.99kWが残ります。
次に電気子回路の抵抗による損失を引くと、
- 電気子が供給する電流が251A
- 抵抗が0.03Ω
より
- P=I^2R
から、1.89kWを引いて1.1kWが残ります。
上記2つは電気回路によって発生するジュール損ですから、残りの1.1kWは、風切りやベアリングなどによる機械的損失分という事が求まります。これを固定損と呼び、問題はこれを求めるというものです。
電動機、発電機出力の効率が条件として与えられている問題で、例えば平成16年 問題1では定格出力を効率で除してから電流値を求めています。
かたや、こちらの問題では定格電流として当然のことながら(?)定格値で算出していますが、両者の違いが理解できないでいます。これは「全負荷時」と「定格負荷時」という違いなのでしょうか。
いつもこの問題でつまづいてしまいます。
コメント遅くなり申し訳ありません。
電動機の効率と定格の関係ですが、
定格電圧×定格電流×効率=定格出力
という関係になります。ここで、定格電圧×定格電流=定格出力、ではない点に注意する必要があります。
一方、こちらの問題は、電動機ではなく発電機ですから、
定格(機械的)入力×効率=定格出力(=定格電圧×定格電流)
という関係になります。
全負荷時と定格負荷時は同じ意味です。恐らく、電動機である場合と発電機である場合で混同されているのかと思いますがいかがでしょうか。