SAT電験3種講座 機械 質問回答(直流直巻電動機の無負荷特性)

電験3種の機械テキストP9についての質問です。

直流直巻電動機で無負荷のとき回転数が∞になるのは数式的にはわかるのですがどのようなイメージで回転数が∞になるのですか?

まず、電動機が回転力を生む仕組みについておさらいします。これは、固定巻線が
作る磁界と、回転巻線が作る磁界どうしが吸引、もしくは反発の力を発生すること
で回転します。当然、大きな力が必要な時は、固定巻線・回転巻線ともに大電流を
流す必要があるわけです。

さて、直流直巻電動機は、回転巻線の電流=固定巻線の電流となっているのが特徴
です。そして、電源電圧が一定で負荷が軽い(=巻線電流が小さい)とき、回転巻
線の逆起電力は電源電圧とほぼ同じです。

直流直巻電動機を無負荷で回転させたとします。すると、回転が上がり、固
定巻線の磁界×回転巻線の磁界×回転数に比例した逆起電圧が発生します。このと
き、機械的な負荷がゼロということは、回路電流は減少していきますが、回路電流
が減少すれば固定巻線の磁界×回転巻線の磁界も減少しますから、回転数が上昇す
ることで逆起電圧を上昇させます。機械的な負荷がゼロ=出力がゼロ=回路電流も
ゼロに近づいていきますから、結局回転数がどんどん上昇する、そういう仕組みで
す。

単に式や性質を暗記するよりも、このように原理をイメージできることが物凄く大
切な資産になりますので、大変良い質問だと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です