SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成16年 法規 問11 張力荷重計算)

法規18章の例題の解説を詳しくお願いします。 図解つきで宜しくお願いします。

この電柱は、左側に電線で、上が9000N・下が4000Nの力で引っ張られています。仮に右側の支線が外れてしまったらどうなるかといいますと、電柱が地面に接している点を中心として左側に倒れてしまいます。この運動は、完全に倒れてしまうまで左側に90度の角度分だけの回転運動です。

物体が力によって回転運動をするとき、その回転力のことをモーメントと言います。例えば、電柱の長さが長く、電柱を引っ張る電線の取り付け位置が高ければ高いほど、そして電線が電柱を引っ張る力が強ければ強いほど、電柱は強い力で倒されることが分かります。モーメントの値は、

  • (回転中心から、力が及ぼされる点までの距離)×(回転させようとする力の大きさ)

で求めることができます。以上のことから、2本の電線が電柱を左側に倒そうとする回転モーメントを求めると、

  • 下側の電線・・・4kN×8m=32[kN・m]
  • 上側の電線・・・9kN×10m=90[kN・m]
  • 合計・・・32+90=122[kN・m]

となり、122[kN・m]のモーメントであることが求められます。

支線が、このモーメントと全く同じ値で右側に引っ張ることにより電柱が倒れるのを防ぎますから、支線の取り付け点の高さが8mであることを考えると

  • 8×T=122

となればよいので、支線は電柱から90度右側に

  • 122÷8=15.25kN

の力で引っ張ればちょうど釣り合うことになります。

しかし、支線は電柱をまっすぐ右に引っ張ることはできません。この電柱を斜めに引っ張っていますので、その斜めの力の水平方向右側成分が15.25kNになるためには、添付の図の通り、

  • 5:3=x:15.25

となりまして、これより25.4kNが支線の荷重であることが求まります。
houki18

 

 

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