平成29年度電験3種問題解説・理論問16

【解答】(3)(4)

(a)

三相交流の相電圧は200/√3Vで、一相当たりの負荷はRとLの直列ですから、合成インピーダンスは

  • √{52+(2π×50×0.005)2}=√(27.47)≒5.24[Ω]

従って、一相当たりの皮相電力は

  • (200/√3)2/5.24≒2544[var]

力率は、

  • 5/5.24≒0.95

三相分の有効電力は、

  • 2544×3×0.95≒7250[W]

と求まります。なお、計算誤差が積み重なった結果、選択肢の値と少々ずれましたが、電卓を用いて極力四捨五入を行わずに計算すると選択肢と同じ値が得られます。

(b)

まず負荷一相分について考えます。RとLの直列インピーダンスZは

  • Z=R+jωL

ですから、この逆数のアドミタンスYを求めると、

  • Y=1/(R+jωL)

です。これと並列になるコンデンサを投入し、アドミタンスの虚数分をゼロにするためには、

  • 1/(R+jωL)+jωC

の虚数分がゼロとなればいいので、分母を有理化して

  • 1/(R+jωL)+jωC={R−jωL+(R22L2)C}/(R22L2)

となることから、分子の虚数項がゼロとなるためには、

  • R2ωC+ω3L2C−ωL=0

となればよいので、これをCについて解くと、

  • C=L/(R22L2)

です。但し、これは一相分についてのY結線に対しての静電容量ですから、これをY-Δ変換することにより、

  • C=L/3(R22L2)

が導出されることになります。

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