SAT電験3種講座 理論 質問回答(コイルの自己インダクタンスと相互インダクタンスの計算)

理論37 磁気回路のオームの法則内の質問です。テキスト77ページの冒頭にある自己インダクタンスと末にある相互インダクタンスの変換後の式の過程を教えてください。

まず、76ページのコイルにおいて、鉄心に磁束を発生させる源はコイルの電流と巻数の積、Niです。電気回路でいうと、これは発電の電圧と同じです。

このとき、ソレノイド内に流れる磁束(電気回路でいうと電流)は、このNiを磁気抵抗で割った値です。

磁気抵抗は、電線と同様、ソレノイドの長さに比例して断面積に反比例します。また、電線の抵抗率に対して磁気は透磁率の逆数ですから、流れる磁束φは、磁路長をIとして

  • φ=Ni÷(l/μS)=μNSi/I

で表されます。

コイルの自己インダクタンスLは、コイルに流れる磁力をφ、巻数をN、流れる電流をiとすると、

  • L=Nφ/i

で求められるので、ここに上記のφを代入すると、

  • L= Nφ/i=N(μNSi/l)/i=μSN^2/l

となります。これがP.77二段目の式です。

コイルの自己インダクタンスは、その作用の大きさを意味します。式中の巻数の2乗は、「コイルに流した電流によって自分で作り出した磁束が、今度はコイル自身に戻ってきて自分自身に影響を与える」ことを意味しています。巻数Nが大きいほど、電流によって作り出す磁束が大きくなり、その磁束がコイル自分自身にまた大きく作用する、ということになります。

さて、コイルが自分が自分自身に影響を与える度合いではなく、一次側と二次側の巻線があり、一次側のコイルが作った磁束が二次側に与える影響を考えるときは、上記の式の(μS/l)に一次側と二次側のN1とN2を掛けた値になり、これが相互作用を意味する相互インダクタンスの式になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です