SAT電験3種講座 機械 質問回答(変圧器の等価回路)

機械編P11

巻線比を用いて一次側に換算して表現しているとありますが巻線比とはどういうことですか?この回路は変圧器の働きのどこを等価にしたものなのでしょうか?

変圧器というのは、理論編の合成インダクタンスのところで出てきた、相互インダクタンスを持つ2組の巻線のことです。

より具体的に言うと、鉄心を介して磁気的に結合した2組の巻線で、片方の巻線に電流を流すと、その電流によって鉄心内には磁束変化が発生し、その磁束が他方の巻線を通過することで、その巻線に電圧を発生させるものです。我々の身近で、高圧の6600Vを100Vや200Vに変換するための装置として、あるいは100Vの交流から携帯電話の充電などに使う低い電圧を作り出すためなどに広く利用されています。

巻数比は、一次側と二次側の巻数の比のことで、例えば一次側巻線が10000回、二次側巻線が500回巻いてあるとすると、10000:500=20:1となります。コイルを貫く磁束変化は電圧を発生させることから、巻数比が20:1の変圧器は、一次側電圧:二次側電圧=20:1となります。

さて、このような変圧器ですが、現実問題として巻線に使う銅の直列抵抗、そして導線を巻いてあることによるインダクタンスとそのインダクタンスによって生じるコイルとしてのリアクタンス、その他の損失要因などを評価する場合、何らかの等価回路に置き換え、その置き換えた等価回路内の抵抗値やリアクタンス値を用いて変圧器の特性を考えることになります。

ここで、本来変圧器は一次側と二次側は絶縁されていますが、上記のような直列抵抗やリアクタンス等を評価する場合、一次側と二次側が絶縁されているかどうかということは重要ではありません。要は、一次側から見てどのような回路素子に見えるか、というのが論点なわけです。

変圧器の巻数比をn:1とすると、電圧比はn:1です。一次側と二次側で電力は変わりませんから、二次側は電圧が1/n倍になった分、電流はn倍となります。

この変圧器に、仮に二次側に抵抗Rを接続した場合を考えます。二次側に発生する電圧をVとすると、流れる電流はV/Rです。これを一次側に変換すると、

  1. 電圧はnV
  2. 電流はV/nR

となります。したがって、一次側から見ると、

  • 電圧がnVのときに、V/nRの電流が流れる抵抗

と見なせます。この値を計算すると、

  • 電圧÷電流=nV/(V/nR) =n^2R

となり、

  • 巻数比1:nの変圧器の二次側に抵抗Rをつなぐと、一次側からはn^2倍の値に見える

ことが求められます。これを回路図に起こしたものがP11の回路図で、

  1. 一次側の直列抵抗をr1、リアクタンスをx1
  2. 二次側の直列抵抗を一次側に変換したものがa^2r2、リアクタンスを変換したものがa^x2、二次側負荷のZ2を変換したものがa^2Z2

となって、一次側から見た等価インピーダンスになる、ということを示しています。

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