SAT電験3種講座 機械 質問回答(単相インバータ回路の動作)

電験3種機械テキストP34に関しての質問です。スイッチS1、S4をONからOFFにしたとき、負荷が誘導性負荷だったら、いままで流れてた方向と同じ方向に電流も流れると思います。このときスイッチS1、S4はいままでと同じ方向に電流が流れていてもOFFになるのでしょうか。

大変すばらしい着眼点だと思います。

おっしゃる通り、スイッチS1-S4をOFFにしてS2-S3をONにした瞬間、誘導性負荷のコイルには誘導起電力が発生しているため、抵抗のように即座に電流が切り替わって流れるようにはなりません。ではどう対策しているかというと、ここで登場するのがS1~S4のコレクターエミッタ間に入っている逆方向ダイオードなのです。

S1-S4がOFFとなった瞬間、誘導性負荷は回路図右向きに電流を流し続けようと電圧を発生させますが、この電圧がたとえ電源電圧Eよりも大きかったとしても、この誘導起電力による電流は

  • 負荷→S3と並列に入っているダイオード→電源の+端子→電源のー端子→S2と並列に入っているダイオード→負荷

という経路で流れ、一瞬のうちに消滅し、S2-S3の導通によって逆方向に電流が流れるようになります。

もしこのダイオードが入っていないと、スイッチングの切り替えの際に発生する逆方向起電力がトランジスタのC-E間に逆に掛かることになり、トランジスタが破損してしまいます。

(トランジスタのC-E間は、C側が+の時は高い耐圧を持っていても、低い逆方向電圧で簡単に壊れてしまうという性質を持っています)

以上、動作原理がお分かりいただければ幸いです。

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