「訂正」カテゴリーアーカイブ

SAT一陸特講座 質問回答(電子回路における負荷抵抗と信号の受け渡し方法)

トランジスタとFETの説明で、出力の電流の変化を、電圧に変化させるために負荷抵抗をいれるとの説明がありました。通常、高周波信号は、電流変化と電圧変化のどちらで取り扱うべきものなのでしょうか。

信号の変化といえば、電圧の変化のことを言っていることが多いと感じます。また、信号を電流変化で取り出すことがダメな点があればお教えください。

おっしゃる通り、通常、信号の受け渡しと言えば電圧の変化で定義します。

何故かと言えば、電圧の出力は放っておいても(端子を開放した状態にしていても)何も起きませんが、電流出力にすると、端子を開放すれば端子間抵抗が非常に大きな値となり、そこに無理やり電流出力を流そうとするとV=RIより極めて高電圧が発生してしまい、取り扱いづらいからです。

大電流を測定するために用いる変流器は、原理上電流出力にせざるを得ないため端子開放は厳禁であり、このことは強電関係の資格試験でも良く出ています。

高周波信号は、普通は電圧出力でも電流出力でもなく、電力で取り扱います。これは、極めて高い周波数の交流信号に対して電圧や電流を測定することが難しいということと、信号の受け渡しにおいて必要なのはエネルギー(=電力)であり、線路インピーダンスが変わっても不変である電力を基準にして考えるのが合理的という事情があります。

DVD中での言い間違いなど

試験の内容と直接は関係ない部分について、ご指摘がありました。

「松川地熱発電所は、秋田県ではなく岩手県にあります」

Σ(゚口゚;

そう、確か秋田県に旅行に行ったときに見かけたという話で「秋田県にあります」と喋った気がしますが、松川地熱発電所は秋田じゃないです。岩手県です。

大変失礼いたしました…。

猫電テキストp34ベクトル図の誤り

猫電テキストp34について質問です。

DVDの説明のテキストと頂いたテキストの図が異なっています。正誤表がありますが、正誤表の記述も曖昧で、DVDが間違っているのか、頂いたテキストが間違っているのか分かりずらいです。DVDの説明でコイルの式、jV/I であるから、+Jになるからコイルとコンデンサがひっくり返っているという説明がよくわかりません。一番混乱しやすいところで、テキストが間違っているし、説明は曖昧だし、詳細な説明をよろしくお願いいたします。

34ページの図につきましては、御指摘の通り、テキストの方が誤っています。上下ひっくり返した図が正しいものとなります。

改めてこの辺りを整理しますと、次のようになります。

 

  • コイル…両端に与えられた電圧の波形に対して、電流が90°遅れて流れる。ベクトル図で、虚数のjは時間的に90°進んでいることを表す記号なので、電流は-jと表される。(コイル両端の電圧)÷(コイルに流れる電流)を求めると、分母が-jであるため、求められたリアクタンスは+jが付くことになる。つまり、インピーダンスを表すベクトル図では、+90°方向となる。

 

  • コンデンサ…流れ込んだ電流の波形に対して、両端の電圧の波形が90°遅れて発生する。つまり、両端の電圧の波形に対して、電流の波形は90°進むことになる。したがって、ベクトル図では、電流が+jと表される。

(コンデンサ両端の電圧)÷(コンデンサに流れる電流)を求めると、分母が+jであるため、求められたリアクタンスは-jが付くことになる。つまり、インピーダンスを表すベクトル図では、-90°方向となる。

 

以上のことより、P.34の図は上下が反対になっていることが分かります。

ご迷惑をお掛けしており申し訳ありません。

SAT電験3種講座 理論 質問回答(RLC並列回路が共振周波数で電流最小となる理由)

理論テキストP62  並列共振回路

RLC並列共振回路ではインピーダンスが最大、電流は最小、力率1となりますがなぜそうなるのか分かりません。

流れる電流はRのみになるのなら直列共振と同じように電流は最大になるのではないでしょうか?文章解答だけでなく回路図を使用したり、考察なども含めて質問に解答してください。

それではまず、コイルとコンデンサの基本的な性質をおさらいします。

コイルは、電線を輪のように巻いたもので、周波数が低いほどリアクタンスが小さく、周波数が高いほどリアクタンスが大きくなります。

リアクタンスとは、素子に掛かる電圧を流れる電流で割った値で、単位はΩです。

コイルのリアクタンスを式で表すとjωLとなり、角周波数ω=2πfですから、電源の周波数をf(単位はヘルツ)として、リアクタンスはj2πfLとも表現できます。

jは虚数単位ですが、ここでは「コイルに流れる電流は、コイルに掛かる電圧の波形に対して90°遅れている」ことと等価です。したがって、電圧と電流のタイミングを考えずに各々の実効値だけを見て考えれば、コイルに掛かる電圧をV、流れる電流をIとして、V=2πfLIと表すことができます。

コンデンサは、極板を2枚対向させたもので、周波数が低いほどリアクタンスが大きく、周波数が高いほどリアクタンスが小さくなります。コンデンサに流れる電流は、コンデンサに掛かる電圧の波形に対して90°進んでいます。

コンデンサのリアクタンスを式で表すと1/(jωC)となり、こちらもコイルと同様に考えると、コンデンサに掛かる電圧をV、流れる電流をIとして、V=I/(2πfC)と表すことができます。

さて、このような性質を持つコイルとコンデンサを並列に接続すると、コイル・コンデンサに掛かる電圧は同じですから、コイルの電流はそれに対して90°遅れ、コンデンサの電流はそれに対して90°進みとなり、差し引きするとコイルとコンデンサの電流波形は互いに180°の位相差を持つことになります。つまり、コイルが電流を吐き出している間はコンデンサが電流を吸い込み、コイルが電流を吸い込んでいる間はコンデンサが電流を吐き出していることになります。

並列共振は、コイルとコンデンサがやり取りする電流値が同一になっている状態ですから、電流のやり取りがこの2素子間で完結してしまい、外部からは一切電流が流れ込まない状態です。電圧が掛かっているのに電流が流れ込まないということは、リアクタンスは無限大になるわけです。

では、RLC並列回路で電源周波数を変えたときの挙動を考えます。上記の通り、共振状態ではLC並列部分のリアクタンスは無限大ですから切り離して考えることができ、回路に残されるのはRだけですから等価的に抵抗値Rだけとなります。

この状態から周波数を下げてみます。どこまで下げるかと言えば、極端な場合としてゼロHz、つまり直流の場合を考えます。

すると、コンデンサのリアクタンスは1/(2π×0×C)で分母がゼロとなり、無限大つまり電流は全く流れず切り離されてしまうことが分かります。

一方コイルは、2π×0×LでゼロΩです。結局、ゼロΩとRが並列になっているのと同じですから、回路のインピーダンスはゼロとなり、電流はたくさん流れます。

周波数を無限大まで上げた場合は、コイルのリアクタンスが無限大になるものの今度はコンデンサのリアクタンスがゼロとなり、結局ゼロΩとRの並列ですから、回路全体のインピーダンスはゼロΩです。

上記のような極端な例ではなくとも、共振周波数からずれた周波数においては、コンデンサのリアクタンス>コイルのリアクタンスもしくはコンデンサのリアクタンス<コイルのリアクタンスという状態になり、LC並列のリアクタンスの差し引き分は共振状態の無限大のリアクタンスよりも必ず小さくなり、その小さくなったある値のリアクタンスと抵抗Rの合成インピーダンスは、当然共振状態よりも小さくなり、回路に流れる電流は増加することが分かります。

SAT電験3種講座 電力 質問回答(電験3種 平成21年 電力 問1 水力発電所のエネルギ計算)

電力のP7の例題ですが、発電機の定格出力がKWになっております。文章からすると通常KVAの記載で負荷が80%ということは力率が0.8ということになり、KWとになると思います。P=WcosΘ W:VA ご回答お願いします。

次にP9の例題ですが、水の密度の記載がもれています。解答から判断し1000kg/m^3と思われます。よろしくお願いします。

この例題ですが、これは電験3種の平成21年問1の出題問題からの引用です。

ご指摘の通り、発電機の定格出力については皮相電力で表されていることが多いですが、この問題については国家試験の出題もkW単位での出題となっておりましたので、難しく考えることなくそのまま2500kW×0.8で2000kWということで宜しいかと思います。

また、水の密度は実際の試験問題ではもちろん記述されておりますが、その前のページに「1㎥の水の質量は1t」と記述しておきましたので、それで宜しいかと思い省略した次第です。

2017年版 SAT電験3種講座テキスト誤植訂正(理論編17ページ)

理論編のテキストの17ページのBのループの方程式についてです。図を見て考えればテキストに書いてある式になるのは分かるのですが、赤い文字の説明を式にすると、80(i2-i3)になると思うのですが、どうでしょか?よろしくお願いします。

テキストの該当箇所を確認しましたが、ご指摘通り、赤文字の解説文の誤植でございます。

  • 「80Ωの抵抗には下から上にi2、上から下にi1

と訂正の上お詫び申し上げます。

SAT電験3種講座 機械 質問回答(電験3種 平成19年 機械 問1 過去問解説 直流直巻電動機の性質)

機械編9ページの例題「直流直巻電動機」について理解できないので教えて下さい。電磁誘導の法則ということで E=kφN がでてきてNを巻き数と言っています。ところが機械出力P=EI=k’NI^2のあとは、Nのことを回転数と言っています。巻き数と回転数とはイコールなのでしょうか?また機械出力 P=EI と 逆起電力 E=kφN からいきなり N=E/kI となっています。φが消えてしまっています。これはφとIは比例関係にあるためでしょうか。

この部分はご指摘の通り、端折り過ぎたり記号の使い方が適切ではなくて混乱を与えてしまっている箇所と認識しています。

改めて、一から解説いたします。

まず、磁束密度φの中をコイルが回転するときに発生する電圧は、磁束密度φと回転速度とコイルの巻き数に比例します。ここで、巻数も回転速度も記号N(もしくはn)とすることが多いため、ビデオ内でE=kφNのNを巻数と言ってしまいましたが、ここでのNは回転数の誤りです。

従って、E=kφNのkは比例定数(もちろんコイルの巻き数にも比例しますし、コイルが磁束内を貫く断面積にも比例するので、これらを合わせた比例定数ということになります)、φは磁束密度、そしてNは回転数と訂正いたします。

次に、P=EIですが、これは「電力=電圧×電流」に対応しています。つまり、機械的出力は、コイルに発生する逆起電圧とコイルに流れる電流の積と等しいことになります。この式にE=kφNを代入すると、P=kφNIとなりますが、「直流直巻電動機は、界磁巻線に流れる電流と電機子に流れる電流が同一」であることから、界磁磁束の密度φは、実は電機子電流Iに比例します。

従って、φ=aI(aは比例定数)として、P=kφNI=akNI^2となり、ここで定数akを新たにk’として、P=k’NI^2が求まります。

この式をNについて解くと、N=P/(k’I^2)となり、P=EIを代入するとN=E/k’Iが求まり、ここで電機子回路・界磁回路の直列抵抗をr、電源電圧をVとすると、電機子の逆起電圧E=V-rIであることから、N=(V-rI)/k’Iと表すことができます。

この電動機を無負荷で回転させるということは、出力電力P=0であることを意味します。P=EIより、E=0かI=0になればこの条件を満たします。

まず、N=E/k’I=(V-rI)/k’IにおいてE=0とすると、これは電機子巻線の逆起電圧がゼロであることを意味するので、E=kφNより界磁磁束がゼロか回転数Nがゼロである必要があります。ここで回転数がゼロの場合、電機子の逆起電圧はゼロなので、回路には電機子回路・界磁回路の直列抵抗をrとしてV/rの電流が流れます。この電流は界磁巻線にも流れますから、必ず界磁磁束が発生し、回転トルクが生まれて電動機は回転を始めます。したがって、回転数Nも界磁磁束もゼロという条件は構造上成立しません。

次に、I=0の条件を考えます。このとき、N=E/k’IにおいてI=0とすると、Nは無限大に発散することが分かります。つまり、直流直巻電動機は、無負荷で電源電圧を与えるとどんどん回転数が上昇し、やがて回転子が遠心力に耐えられなくなり壊れてしまうわけです。

以上、私の喋り間違いのほか詳しい解説を端折ったためご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

SAT電験3種講座 法規 質問回答(電験3種 平成28年 法規 問13 地絡電流の計算)

平成28年度 法規過去問題 問13(b)について

解説の地絡電流 1Aではなく 10Aではないでしょうか?按分した値と整合とれていません。

該当資料を確認したところ、ご指摘の通り、10Aであるところを誤って1Aと書いておりました。

正しく答えが求まっている(自分でも正しく答えを求めた)覚えがありますので、講座のPDF資料を作成する際、10とするところを誤って1としてしまったミスでした。

ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。また、ご指摘いただき感謝申し上げます。

SAT電験3種講座 電力 質問回答(電験3種 平成27年 電力 問3 発熱量と発電量の計算)

電力27年A問題 問3について質問です。

計算式に、30日間と言う内容がありませんが、何故かわかりません。重油消費量の1100tは、30日間連続運転時なので、式に出てこないのが、何故かわかりません。

あまり、理解出来ていないので、教えてください。

エネルギというのは、位置エネルギや運動エネルギ、熱エネルギ、電気エネルギなど色々な形があり、単位はジュール[J]で、それぞれ相互変換することができます。この問題の場合、「重油の燃焼による熱エネルギ」=「発電した電気エネルギ」という条件で式を立てることで答えを求めることになります。

熱エネルギを求める式は、

  • (燃料の重量)×(単位重量当たりの発熱量)

電気エネルギを求める式は、

  • (電力)×(時間)

ですので、出題の条件と照らし合わせてみます。

すると、熱エネルギは、

  • 1100[t]×1000[kg/t]×44000[kJ/kg]×1000[J/kJ](単位:ジュール[J])

電気エネルギは、

  • 5000[MW・h]×1000000[W/MW]×60×60[s/h](単位:[W・s]=ジュール[J])

(講義で使ったパワーポイントは誤って24が入っていますが、これは誤りです)

となり、実は「30日間」という数字は問題に関係ないことが分かります。

この問題は、エネルギの定義として、発熱量の単位ジュールと、電力量の単位1W×1秒=1ジュールがイコールである、という事さえ知っていれば求まる問題ですので、慌てて計算して誤ることの無いよう(…私も余計な24と入れて資料を作っておいて人のことを言えませんが…)お気を付け頂ければと思います。

SAT電験3種講座 機械 質問回答(論理演算とブール代数に関するミス)

機械編 28章 論理演算とブール代数にて

最後の例題(教材に記載されていない DVD内での問題)

~(x+y+z)の3連の問題において

教官がDVD内で解答を

①の (x+z)(y+z)  とおっしゃっていましたが何度計算しても ④の(x+z)(y+z)の結果になってしまいます

以下z=0と定義した際の式です

(X+Y)(X+Y)(X+Y)= (XX+XY+XY+YY)(X+Y)  →  XX=X      YY=0

= {X+X(Y+Y)+0}(X+Y)     →    Y+Y=1

= (X+X+0)(X+Y)            →   X+X=X

= (X+0)(X+Y)

=X(X+Y)  =XX+XY                              → XX=0 =XY

Zを代入

(X+Z)(Y+Z)

☆バーは恥ずかしながら上に付ける技術持ち合わせていないのでアンダーバーで表記してます

計算方法変えても同じで どうやら負のドツボ(スパイラル)に陥ってしまい自分ではどこが間違い部分がわからなくなってしまいました。(きっとどっかで単純ミスしてると思うのですが・・・)

外部の冷静な視線で見ればすぐにご指摘いただけるのではと・・・

自力救済諦めて質問してしまいました・・・スミマセン・・・

加えて過去問からの引用であれば 出題年度を教えて頂ければ

自分自身でも調べてミス部分を見つけ出したいと思っております

宜しくご指導の程、お願い申し上げます

 

御質問承りました。返答が遅くなりまことに申し訳ございませんでした。

さて、御質問頂いた件ですが、これは電験3種の平成25年の問18(b)の問題です。

早速問題を確認したところ、御指摘通り正解は(4)です。

恥ずかしながら、講座の中で(4)を(1)と喋ってしまっていたようです…。

ご迷惑をお掛けして誠に申し訳ございませんでした。お詫びの上訂正申し上げます。