電験3種過去問解説 平成26年電力問16

(a)

公称電圧の相電圧は、66kV÷√3≒38kVです。この電圧を掛けたときに、3線一括で115A流れたということは、コンデンサCひとつ当たりに流れる電流は115÷3≒38Aです。

アドミタンスは電流÷電圧ですから、38÷38000=1[mS]となり、答えは(2)です。

(b)

B点のa相と接地との2点間にテブナンの定理を用いて考えます。テブナンの定理は、

2点を開放したときに発生している電圧と、2点を短絡したときに流れる電流から、回路を1つの電圧源と1本の直列抵抗 (交流の場合は直列インピーダンス)に置き換えられる

というものでした。これをもう一歩進めると、直列抵抗(インピーダンス)の値は、

回路内の電圧源は短絡、電流源は開放した状態で、その2端子から回路側を見たときの抵抗(インピーダンス)値

に等しいことが求まります。よく参考書類でテブナンの定理を紹介するときは、この定義をもって内部抵抗(インピーダンス)を求めるという説明が多いように思います。

 

さて、問題の回路で、B点のa相と接地の間に発生する開放電圧は相電圧の38kVです。そして、a相と接地から回路側を見たものは、変圧器の巻線(電圧源)を短絡して考えると、3個のコンデンサCとLが並列に接続されている回路と見なせることが分かります。

地絡電流が零ということは、この3個のコンデンサCとLが並列に接続されている回路のリアクタンスが無限大となれば良いので、3CとLが並列共振すれば良いことになります。共振条件は、コンデンサのリアクタンス=コイルのリアクタンスですから、「38kVを掛けたとき115A流れるリアクタンス値」、つまり38000÷115≒330Ωと求まります(四捨五入をせずに計算すれば、きちんと333になります)。答えは(3)です。

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