理論 問7で答えが、20A×1.2倍=24A になるのになぜ、(4)24.0ではなく (3)21.2が正解になるのでしょうか?
この問題は、「4Ωの抵抗とCファラドのコンデンサを直列にした回路」である点がポイントです。もし抵抗がなく、純粋にコンデンサのみであれば、単純に20A×1.2倍になりますが、抵抗は電源周波数が変化しても値が変わらないため、きちんとRC直列回路のインピーダンスを求めなければいけません。
50Hz100Vの電源に対して20Aの電流が流れたということは、RC直列回路のインピーダンスは5Ωです。
抵抗が4Ωであることが分かっているので、このときのコンデンサのリアクタンスをXとすると、
- √(4^2+X^2)=5
ということになり、両辺を2乗して
- 16+X^2=25
ですから、X^2=9よりX=3Ωです。
さて、コンデンサのリアクタンスは1/(jωC)ですから周波数に反比例します。したがって、50Hzで3Ωのリアクタンスを持つコンデンサは、60Hzではその1/1.2、つまり2.5Ωのリアクタンスとなります。
以上より、60Hz時のRC直列回路全体のインピーダンスは、
- √(4^2+2.5^2)≒4.72Ω
ですから、このとき回路に流れる電流は、
- 100÷4.72≒21.2A
と求まります。