平成26年の機械過去問、問15(a)ですが、回転数1800rpm、機械出力は400/√3÷√3×200×1=26.7kw、角速度×トルク=仕事(26.7kw)から1800/60×T=26.7kT=890Nと考えたのですが、回答と一致しません。解説の動画では、公式に当てはめて〜としか解説がありません。P=3EVsinθ/xの公式かと考えたのですが、力率1=cosθ=1、sinθ=0?となりこの式の展開も不明でした。どこで考え方を間違えているのでしょうか?ご教授お願いします。
まずトルクですが、これは回転運動において、回転中心軸からの距離×その点での力の積です。
力学的な仕事は、力×距離で定義されます。例えば10Nで5mの距離にわたって力を与え続けた場合の仕事は50Jです。回転運動の場合は、常に回転方向が変わるため、円周上での力と、その円周上での回転距離が仕事になります。そこで、回転運動の1秒間の回転数をxとすると、回転中心からの距離をr、その円周上での力をFとして
- 2πr・x・F
が1秒間の仕事、つまり仕事率(単位:ワット)ですから、この値を電気的な入力とイコールで結んで計算できることになります。
この電動機の電気的入力は、三相なので3×(400/√3)×200=138564Wとなります。また、回転数は120f/pより1800rpmですから、1秒間では1800÷60=30回転です。
したがって、
- 2πr・30・F=138564
と求まります。トルクTは、この式中のrとFの積ですから、
- 2π・30・T=138564
となり、これよりT=約735N・mが求まります。
(b)は、提示されているベクトル図で考えるのが最も分かりやすいかと思いますので、図を添付いたします。
まず、出力条件が変わらないので、IM1cosθ=IM、そして図中のVの値も力率変化前と同一値です。
図より、まずIM1を求めます。IM1cosθ=IMより、IM1は231Aと求まります。
IM1が求まれば、次はjxsIM1の値を計算します。xsは1Ωなので、xsIM1は231Vです。
ベクトル図から、この231Vにsinθを掛けたものが同期リアクタンスに発生する電圧の有効分で、これは115Vです。
同様に、231Vにcosθを掛けたものが同期リアクタンスに発生する電圧の無効分で、これは200Vです。
以上より、(400/√3)+115Vと200Vの二乗和がEになりますから、これを求めると約400Vが導き出せます。
添付図に赤丸で計算順序を書きましたので、併せてご覧いただければと思います。