電験3種 H27理論過去問 問17(b)についての質問です。
問題文でiaの波形はeaの波形に対して30度遅れていたとあります。Y-Δ結線で位相が30度遅れるということはわかるのですが、この問題文の「iaの波形はeaの波形に対して30度遅れていた」の記述でそれに気づけませんでした。
そもそもY-Δ結線で位相が30度遅れるというのは、ΔがYに対して何(電圧や電流)が遅れるのかはっきり理解できていないからかもしれません。Y-Δ結線で位相が30度遅れることと今回の問題文の「iaの波形はeaの波形に対して30度遅れていた」が同じ意味になる理屈をお教えいただきたいです。
一般に「Y-Δ結線で位相が30度遅れる」というのは、変圧器において一次側がY結線、二次側がΔ結線となっている場合、一次側の電圧波形に対して二次側の電圧波形が30度遅れることを意味しています。
Y結線であろうがΔ結線であろうが、単相変圧器は一次側と二次側が同相になりますから、今回の回路のようにΔ結線の電源に対してY結線の負荷が接続される状況は、本質的に変圧器のΔ結線・Y結線の関係と同じことです。
Y-Δ結線で位相が30度遅れることと今回の問題文の「iaの波形はeaの波形に対して30度遅れていた」が同じ意味になる理屈をお教えいただきたいです。
この図は、平成24年の問16の回路図ですが、V結線はΔ結線から一相を抜いたもので、発生する相電圧はΔ結線もV結線も違いはありませんから、これを流用して考えます。
Δ電源側の電圧の一相を基準として取り出すと、b’からa’に向かう赤矢印のようなベクトルの電圧を発生しています。ベクトルは平行移動することができますから、始点をY結線負荷側の中性点に移動させて緑色の位置に持ってきます。
ここで、負荷の中点からa’への電圧(青色のベクトル)と緑色のベクトルの関係を考えると、青色が30度の遅れになっていることが分かります。
つまり、負荷の力率が1であれば相電圧と相電流の位相が同じとなり、そうすればa’点に向かう相電流(平成27年問17でいえばia)はEa(平成27年問17でいえばea)より30度遅れることになります。
以上のようなロジックで、平成27年問17(b)は力率が1になる条件を求めれば良いということになるわけです。
ご解説ありがとうございました。
ベクトル図は、説明されるとなるほどとわかるのですが、自分で一からかけないです。試験では、過去問のベクトル図のパターンを覚えて、それだけは確実に得点できるようにしたいと思います。
交流回路のベクトル図が分からないというのは、そもそもベクトル図が何を現しているものなのかがきちんと分かっていないからなのですが、それではベクトル図は一体何なのかという解説を懇切丁寧にしている書籍類が有るのかというと、大抵は「ベクトル図はこういうモノである」という結果しか書いていないんですよね。
交流は時間的に常に変化している電気ですが、その電圧値や電流値は、円周上をグルグル回転する点の高さで表されます。円とx軸の交点をスタート地点として、反時計回りに回転します。
このとき、ある瞬間で時間を止め、各部分の電圧や電流を同心円上の点にプロットし、それらの点の間の関係を矢印で表したものがベクトル図ということになります。大抵は基準とする電圧値や電流値が、スタート地点であるx軸上の交点にある瞬間を基準として考えます。
とはいえ、電験3種の試験では過去問のパターンを何となく覚えておくだけで事実上は問題無いかと思います。
先生の解説、とても分かりやすいです。
三相交流回路は位相が絡むと難しいですね。。。
苦手意識があるので、残り2ヶ月解消できるように頑張ります!
どなたか分かりました。
確かに交流の位相は難しいのですが、三角関数は絶対に30°、45°、60°などの決まりきった値しか出てきませんから、勉強していくうちにパターンが掴めます。
過去問題がそのまま出題はされませんが、正しい解き方を勉強しながら過去問題をやっていくことは良い練習になりますので、残り二か月で2科目、ぜひ合格していただきたいと思います。