SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成24年 理論 問16 Δ-Y回路に流れる線電流と位相差)

平成24年度の理論過去問の問16(a)について質問です。先生が講義で仰っていた右側のスター結線をデルタ変換し、電流iabを求めることはできましたが、i1の求め方が分かりません。線間電圧200Vを√3で割って相電圧を求め、その相電圧をインピーダンスZの5√3+j5で割って、出てきた値をベクトル計算で合成しi1を求めても、角度の部分が回答と合いません。なぜこの方法が間違っているのかと、正しい答えの導き方を教えて下さい。よろしくお願いいたします。

電源側のΔ結線は、Yに変換することで200/√3になりますが、120°の位相差がある電源2つを合成しているため、合成してY結線の1つの電源に変換された電圧は、∠0°にはなりません。では、端子a’と負荷の中点に掛かる電圧はどうなるかといえば、これは(200/√3)∠-30°となります。

この位相差-30°の求めかたは、図を添付しますのでご覧ください。

まず、回路から、負荷側のb’-a’間に200∠0の電圧が掛かるのはすぐに分かります。(赤矢印)

このベクトルは平行移動できますから、開始点を負荷の中性点に移動します(緑矢印)

このとき、求めたいI1が接続されている負荷Z=5√3+j5Ωの両端の電圧(青矢印)と緑矢印の位相差を考えると、青矢印の方が-30°であることが分かります。

従って、Zの両端の電圧は、(200/√3)∠-30°です。

この電圧をZの絶対値、√(75+25)=10Ωで割ると、電流I1の絶対値は約11.55Aとなり、負荷の5√3とj5の間の角度が30度であることから、電源電圧に対して遅れ30°の電流が流れることが求まります。したがって、電源電圧の-30°と負荷の遅れ角-30°を足した-60°、つまり-π/3の遅れ角ということになり、答えは(4)となります。

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