SAT電験3種講座 理論 質問回答(交流回路の消費電力と力率)

理論テキストP34の例題で、消費電力の求め方なんですが、P=VIで求めた場合、100×20で2000wとなり、1600wとならないのですが、なぜでしょうか?

 

この問題ですが、電力P=VIで計算できるというところまでは合っています。回路が直流だったり、交流の回路であっても部品が抵抗だけの場合はその計算で求めることができます。

しかし、問題の回路をよく見ると、抵抗のほかにコイルが入っています。

コイルは、小学校の頃の電磁石の実験で使った電磁石と同じように電線をグルグル巻いた部品ですが、実はこれは電力を消費せず、いったん受け取った交流の電力を電源側に投げ返すという性質を持っています。

このコイルが挿入されている場合、電力は単純にP=VIだけでは計算できません。コイルと抵抗に与えられる電力のうち、コイルによって投げ返される分を引かなければいけない訳です。

このとき、コイルと抵抗に与えられる電力のうち、抵抗で消費される電力の割合を力率といい、この回路のようにコイルと抵抗が直列になっている場合、

  • 力率=(抵抗の値)÷√(抵抗の値の2乗+コイルの値の2乗)

で計算されます。これを求めると、

  • 力率=4÷√(16+9)=4÷5=0.8

となります。これを2000に掛けると、

  • 2000×0.8=1600

となり、正解が求まることになります。

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