SAT電験3種講座 理論 質問回答(電験3種 平成22年 理論 問7 単相3線式回路の回路電流と消費電力)

理論のテキストp58の例題の質問です。解説に「したがって、重ね合わせの原理より、a→bと流れる電流とb→cと流れる電流が重なるb端子に流れる電流は打ち消し合ってゼロとなります。」の部分が理解できませんでした。重ね合わせの原理をどのように使って電流が重なるb端子に流れる電流は打ち消し合ってゼロになるのですか?そしてどうして電力を消費する負荷は、a端子とc端子につながる右端の縦素子のみなのですか?

a-b間、b-c間は、どちらもR=4ΩとX=3Ωが2個ずつ直列に入って、合計R=8ΩとX=6Ωの回路に見えます。ここに、a~b間とb~c間に同じ電圧・同じ位相の交流電圧をかけているので、a→bに流れる電流とb→cに流れる電流は同じ値・同じ位相になります。

ここで、a→bの電流が流出する値と、b→cの電流が流入する値は同じ値で逆位相(流入と流出を比べているので)ですから、足し合わせるとゼロになります。当然、回路の真ん中に入っている4Ωには電流が流れないため、電力も消費しません。

14章RLC直列回路のp.58の過去問に関してですが、真ん中のb端子に電流が流れない理由について教えてください。重ね合わせの原理より、と記述されてありますが、どのように作用し電流がゼロになるのかいまいち理解できません。また、この回路(単相3線式)において、真ん中の線に電流が流れる場合もあるのでしょうか?電流が流れない理由が重ね合わせの原理ならば、真ん中の線に流れる電流は常に打消しあいゼロとなるのではないでしょうか?

この回路は、a-b間とb-c間の回路に分けて考えます。

a-b間は、8+j6Ωの負荷に100∠0°の電圧、b-c間も8+j6Ωの負荷に100∠0°の電圧が掛かっています。したがって、a-負荷-bと流れる電流と、b-負荷-cと流れる電流は、同位相・同振幅となります。

ここでb端子につながる線について考えると、a-負荷-bの回路では電流の流出、b-負荷-cの回路では流入(もちろん交流ですから、タイミングによって流入・流出は逆転します)ですから、b端子に流れる電流は常に差し引きゼロということになります。

もし、a-負荷-bの回路と、b-負荷-cの回路で負荷インピーダンスの値が異なっていれば、真ん中のb端子に流れる電流が差し引きゼロにはなりませんから、その場合は電流が流れることになります。

理論の交流回路で、フェーザ表示の過去問説明の所です。ab間に交流100Vがかかり、bc間にも位相差無しの交流100Vがかかってます。この時に端子ac間の電圧は200Vにならないのはなぜでしょうか?ここが200Vならば真ん中の回路にある抵抗やコイルにも電流が流れると思います。

58ページの例題の件かと思いますが、もちろんac間の電圧は200∠0°ボルトになります。そして、

  • a→右上の4+j3Ω→真中の4+j3Ω→bと流れる電流と、
  • b→真中の4+j3Ω→右下の4+j3Ω→cと流れる電流

は同一ですので、打ち消しあってbの線に流れる電流はゼロとなり、回路全体で考えると、200Vの電圧に右上の4+j3Ωと右下の4+j3Ωが接続されているものと同一の結果となります。

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