電験3種過去問解説 平成30年理論問15

(a)

スイッチS1だけを閉じた場合、EbとEcと10Ωが環状に接続された回路となります。題意より、EbとEcは120°の位相差があり、さらに電圧の基準点(EbやEcのベクトルの開始点。回路図でいうと下側の端子)同士が接続されていることから、EbとEcの関係は三相交流のY結線のうち2相を取り出したものと同じ関係であることが分かります。

従って、R1に掛かる電圧はY結線の線間電圧と同じですから、100√3Vになるので、R1に流れる電流は10√3≒17.3Aであり、答えは(4)です。

(b)

スイッチS2だけを閉じた場合、電圧の向きを考えるとEa+Eb-Ecの電圧がR2に掛かることになります。ここでEa・Eb・Ecは互いに120°ずつ位相差がある電圧なので、ベクトル図は次のようになります。

 

 

つまり、Ea+Ebは、Ea・Ebの間の角度が120°なので正三角形の二辺となり、Ea+EbはEaの始点からEbの終点に至るベクトルになります。正三角形なので、この電圧は100Vです。また、-Ecは、Ecの始点と終点を逆にしたベクトルを足せば良いのでEcの逆ベクトルを求めると、これはEa+Ebと同じベクトルになります。したがって、Ea+Eb-Ecの大きさは200Vとなるので、R2には200Vの電圧が掛かることになります。したがって、電力は2000Wと求まります。答えは(4)です。

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