電験3種過去問解説 平成26年理論問5

この問題は、キルヒホッフの法則でも解けますし、重ね合わせの原理でも解けます。キルヒホッフの法則を使う場合、電圧Vと電流Iの代わりに電圧Vと流れた電荷量Qを使って式と立てます。ここでは重ね合わせの原理を説明します。

重ね合わせの原理は、「複数の電源がある回路において、各部の電圧や電流の値は、ある1つの電源だけを残し、他の電圧源は短絡、電流源は開放して各部の電圧や電流を求め、それを回路内にある電源の個数だけ繰り返したものの重ね合わせになる」というものです。この原理は抵抗だけでなくコイルやコンデンサが含まれる回路でも成立しますので、これを利用します。

①20Vの電源だけを残した場合

20Vの電源を残して10Vの電源を短絡した回路を考えます。すると、20Vの電源のプラス-10μF-(20+10)μF-20Vの電源のマイナスという回路になります。コンデンサの直列回路では、電圧配分は静電容量に反比例しますから、上の10μFは左側を+として15V、20μFと下の10μFは、右側を+として5Vの電圧が発生します。

②10Vの電源だけを残した場合

10Vの電源を残して20Vの電源を短絡した回路を考えます。すると、10Vの電源のプラス-(10+20)μF-10μF-10Vの電源のマイナスという回路になります。したがって、上の10μFと20μFは、左側を+として2.5V、下の10μFは右側を+として7.5Vの電圧が発生します。

 

以上より、20μFのコンデンサには、

①:右側を+として5V

②:左側を+として2.5V

の電圧が発生しますから、これらを重ね合わせると右側を+として2.5Vの電圧が発生することが分かります。つまり、a点から見たb点の電圧は、+2.5Vです。答えは(3)です。

「電験3種過去問解説 平成26年理論問5」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です