電験3種過去問解説 2019年電力問4

質量欠損をm(単位:kg)とすると、得られるエネルギはE=mc^2(単位:ジュール)で求められます。したがって、

  • 0.001×(0.09×0.01)×300000000×300000000 [J]

が核分裂によって得られるエネルギです。

一方、石炭の質量をM[kg]とすると、

  • M×2.51×10000 [kJ]

が石炭の発熱量です。したがって、

  • M×2.51×10000×1000=0.001×(0.09×0.01)×300000000×300000000

を解いてMを求めればよいので、

  • M=0.001×(0.09×0.01)×300000000×300000000÷(2.51×10000×1000)=3226.8

したがって正解は(4)です。

電験3種過去問解説 2019年電力問3

(1)…誤り。熱力学の基本原理から、熱エネルギは温度差が存在することによって取り出すことができ、温度差が大きければ大きいほど効率は高くなるため、低温・低圧では全く逆でダメダメです。

(2)…正しい。

(3)…誤り。節炭器は、排ガスの熱を利用して給水を加熱するものなので、「排ガス温度を上昇させる」の部分が正しくは「給水温度を上昇させる」です。

(4)…誤り。(1)と同じ理由で再熱させたほうが効率は良くなります。

(5)…誤り。「捨てる熱量を増加」したら効率が悪くなるのは誰でもわかります。「復水器に捨てる熱量を低減する」ならOKです。

電験3種過去問解説 2019年電力問2

正解…(1)

この手の問題は覚えておくしかない知識問題ですが、電験3種で出題される衝動水車はペルトン水車しかないと言っていいですから、「〇〇は衝動水車である」とあれば真っ先にペルトン水車を挙げるということでほぼ大丈夫だと思います。

反動水車は色々な種類があり、フランシス水車・カプラン水車のほかプロペラ水車などもありますが、構造と原理を図解で見て覚えるのがよいでしょう。もっとも、この問題は、圧力水頭(要するに落差によって作られた水圧)を水車に吹き付ける速度水頭(水道のホースの先端を手で潰して水の勢いを増すのと同じことです)に変換し、ペルトン水車に当てることで動力を生み出す…ということが分かっていれば選択肢は(1)だけに絞られます。

電験3種過去問解説 2019年電力問1

(1)(2)(4)(5)…正しい記述です。

(3)…誤り。

Wikipediaから引用すると、「タンデム式は、発電機としても揚水機としても運転できる1台の発電電動機を、軸を同じくして発電用水車と揚水ポンプとで共有するもの。 ヨーロッパで発展した方式で、発電時・揚水時とで発電用水車・揚水ポンプとを使い分けるので総合的に効率がよく、早期より高落差にも対応できていた」。

なお、別置式は発電機と揚水ポンプを別々に設置するもの。ポンプ水車式は、発電用にも揚水用にも使える一台の水車を発電・揚水に共用するものです。

電験3種過去問解説 2019年理論問18

デジタルテスタ等で幅広く使われている二重積分型AD変換の基本原理に関する問題です。

(a)

1…解説文と図より、kVxT1と容易に求まります。

2…時刻T1の段階でVmまで充電された電荷をkVr(t-T1)で放電していくことになります。解説文と図から容易に求まります。

3…動作原理より、入力電圧が高いほどT1におけるVmの値は大きくなるため、それを0Vまで放電していくのにかかる時間T2は長くなることになります。解説文より、T1は固定ですから、例えば入力電圧Vx=VrならT2=T1、Vx=2VrならT2=2T1…となることが読み取れます。したがって(T2/T1)Vrと分かります。

4…周期と周波数は反比例の関係です。

以上より、正解は(1)です。

(b)

(a)が求まればそれに当てはめて求めるだけです。基準電圧が2Vで、測定電圧で充電された電荷を放電するのに充電の2倍の時間がかかっていることは、測定電圧は2×2=4Vです。正解は(4)です。

 

電験3種過去問解説 2019年理論問17

(a)

図1を見ると、上側がPchMOSFET、下側がNchMOSFETですから、入力が0のとき出力が1、入力が1のとき出力が0となるインバータとして動作します。

図2を見ると、NANDゲートは「11のとき出力が0、それ以外は出力が1」ですから、インバータとして動作するのはイとハです。正解は(5)です。

(b)

デジタル回路が苦手だと解析が難しい!と思うかもしれませんが、実はラッキー問題です。

性質Iを満たすには、入力端子が無くても自動的に動作し続ける(発振し続ける)必要がありますから、これは回路ニです。性質Ⅱを満たすには、入力が2つある必要がありますから、これは回路ヘです。したがって正解は((2)です。

電験3種過去問解説 2019年理論問16

電源側がY結線、負荷側もY結線、そしてコイルやコンデンサのリアクタンス値も既に書かれているので、ラッキー問題です。一問前が少し難しかったので調整したかな?但し、電圧が線間電圧で与えられているため、相電圧は√3で割った115Vで考える点にだけ注意が必要です。

(a)

負荷一相当たりで考えます。LCの並列サセプタンスは|1/10-1/20|=1/20[S]なので、リアクタンスは20Ω、したがってLC並列部分に流れる電流は5.77Aです。抵抗に流れる電流は115÷10=11.5Aですから、5.77Aと10Aの二乗平均を取ると約13Aとなり、答えは(3)です。

(b)

第2種電気工事士レベルの超ラッキー問題です。電力を消費するのは抵抗だけですから、一相当たり115V×11.5A≒1.33kW、これが3本で合計約4kWです。正解は(4)です。

電験3種過去問解説 2019年理論問15

(a)

電気力線は、電界の様子を可視化した線です。電気力線と電界面とは垂直に交わるので、導体床面(=電位がゼロ)に対しては垂直に入らなければいけないはずです。これに合致するのは(5)です。

(b)

本来は、力学の仕事の定義を理解していないと解けない問題です。仕事は(力)×(距離)で求めますので、クーロン力と移動距離の積で求めます。題意より、点Oに固定した電気量ーQ/4のクーロン力からhの距離にあるQの電荷が受ける力は、クーロンの法則より

F=Q^2/(16πε0h^2)

ですから、求める仕事は∫Fdxとなり、xをhからzまで積分したものとして求められます。これを計算すると(3)の式が求まります。

しかし、これは積分の知識が必要ですから、電位の定義と電位を求める公式から解いてくださいということだと思います。Qクーロンから距離rの点の電位は、

V=Q/4πε0r

で求められますが、電位とは「単位電化を無限遠からその位置まで持ってくるのに必要な仕事」を意味しますから、この式を用いてQ/4クーロンからhの点とzの点での電位差を求め、その値にQを掛けた値として解答を導き出してくださいという問題です。

いずれにしても答えは(3)となります。

最速合格 第一級陸上特殊無線技士 模擬テスト (国家・資格シリーズ 412)  質問解答・誤植訂正

「412 一陸特模試テスト」のP106の問題9と「よくわかる 第一級陸上特殊無線技士 合格テキスト」のP31の問題1が選択肢の順番は違いますが同じ問題で、解答の選択肢が異なっておりました。どちらが正しい解答になりますでしょうか?

どちらの問題も「キャリア1本あたりのシンボルレートを高くできる」が誤りですので、問題1の方が正しく、106ページ問題9は正解は「5」となります。御迷惑をお掛けして申し訳ありません、どうぞ宜しくお願い申し上げます。